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直轄の調査設計に簡易確認型 受発注者の負担を軽減

 国土交通省は、直轄の調査・設計業務の総合評価方式を改善し、受発注者の負担を軽減する。直轄工事の総合評価で実施している「簡易確認型」を調査・設計にも取り入れ、入札時に競争参加者に提出を求める技術資料を簡素化する。加えて、同時期に発注される複数業務で、競争参加者を同一の参加表明書で評価する「一括審査方式」も導入する方針だ。

 総合評価で行われる調査・設計業務の競争参加者数は、土木コンサルタントで平均5.9者、測量で平均7者、地質調査で8.7者(2015年度実績)。ただ、参加表明が10者以上だった業務は、土木コンサルタントで全体の21%、測量で27%、地質調査で42%に上っており、受発注者の作業負担は大きい。

 また、建設コンサルタンツ協会の調べによると、競争参加者が負担する技術提案書の作成費用は平均30万円。競争参加者には落札しなくても、一定程度のコスト負担が生じている。

 国交省は、8月8日に開いた「調査・設計等分野における品質確保に関する懇談会」で、受発注者の負担軽減に向けた対策を講じる方針を説明。

 簡易確認型は、直轄工事の総合評価における技術審査の負担を軽減するため、2016年度から全国の地方整備局で実施している。全ての競争参加者に提出を求める競争参加資格確認資料は、15種類・70枚程度に上るが、簡易確認型では簡易技術資料1枚のみを提出し、評価値を算出する。

 この評価値の上位3者を落札候補者とした上で、候補者のみに詳細な技術資料の提出を求める。調査・設計での導入に当たり、簡易技術資料に虚偽記載があった際のペナルティーも検討する。

 一方、一括審査方式も直轄工事で実施しているが、関東地方整備局などでは16年度から調査・設計でも試行している。同時期に発注され、規模・条件も同程度の複数業務の入札に参加する際、同一の参加表明書で競争参加者を評価する。事前に定めた順番で開札して落札者を決定し、重複して受注することは認めない。

 この他、総合評価の標準型で、技術者の実績などのウエートを高める「技術者評価重視型」についても改善を検討。技術者評価重視型は、価格・技術点の割合が1対3と技術点のウエートが高いため、ウエートを見直してプロポーザル方式とのすみ分けを図る方向で検討する。