宮崎県は今月1日付で見直した平成29年度公共事業の発注見通しの中で、新たにトンネル本体工事3件を追加した。追加されたのは▽国道327号佐土の谷工区1号トンネル工事▽国道327号尾平工区トンネル工事(1工区)▽国道219号小春工区トンネル本体工事―の3箇所。いずれも第3四半期に総合評価落札方式で発注する見通しでいる。
国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る路線。日向土木事務所が所管する佐土の谷工区(諸塚村~椎葉村)は、幅員狭小及び線形不良の是正、災害危険性の解消等を目的に平成22年度に事業化された。整備延長は約3.4㎞(幅員7m)で、区間内にはトンネル4箇所、橋梁6箇所等の整備を計画する。
発注見通しに追加した「国道327号佐土の谷工区1号トンネル工事」の整備延長は171m。工事場所は椎葉村松尾で、工期は12カ月程度を予定する。入札は総合評価落札方式とし、第3四半期に発注する予定。工事規模は5億円~10億円。県が当初予算で設定した債務負担行為の限度額は6億円、支出期間は29~31年度。
同じく国道327号内の尾平工区(椎葉村)は、幅員が狭い上に線形が悪く、大型車の離合が困難な状況にあることから、安全で円滑な交通の確保や地域の孤立化解消、緊急輸送道路としての機能保持を目的として、26年度に事業化された。整備延長は約2㎞(幅員7m)で、区間内の約9割(1.8㎞程度)がトンネルとなる。
「国道327号尾平工区トンネル工事(1工区)」は、起点側の978m区間(椎葉村松尾)を施工するもの。終点側に関しては現時点で発注の目途は立っていない。工期は24カ月程度。総合評価落札方式で第3四半期に発注する。工事規模は15億円~24.7億円。債務負担行為の限度額は20億円、支出期間は29~31年度。
一方、西都土木事務所が所管する国道219号小春工区は、西米良村中心部と西都市中心部のほぼ中間地点に位置。路線内の隘路区間を解消し、救急医療など沿線地域の生活支援を図りつつ、通行車両の安全性を確保するもの。事業計画による全体整備延長は1.7㎞(幅員7m)で、区間内にはトンネル2箇所や橋梁3箇所等の整備を計画する。
第3四半期に総合評価落札方式で発注を予定する「国道219号小春工区トンネル本体工事」は、延長483mの2号トンネル本体を施工するもの。工事場所は西米良村越野尾で、工期は24カ月程度を見込む。工事規模は15億円~24.7億円。債務負担行為の限度額は15億円、支出期間は29~31年度としている。
なお、これらのトンネル工事3件に関しては入札参加資格の制限を行う予定であり、落札決定順位が上位の工事の落札者となった者は、落札者となった時点で下位の工事に係る入札参加資格が無いものとし、下位の工事の落札者となることはできない。
このほか、小林土木事務所が所管する国道447号真幸工区(えびの市大字内竪)に関しては、区間内に整備する真幸トンネルの詳細設計業務を発注見通しに追加した。宮崎県側のトンネル区間約1.8㎞に、鹿児島県側(青木バイパス)の接続区間500mを加えた2.3㎞の詳細設計を第2四半期に指名競争で発注する。
国道447号は、えびの市から鹿児島県伊佐市を経由して出水市に至る路線。県境の山間部は隘路区間であるうえ、急カーブが多数点在するため、宮崎県側を真幸バイパス、鹿児島県側を青木バイパスとしてそれぞれ整備する。真幸バイパスの未整備区間は約2.6㎞。前述のトンネル1箇所や橋梁3箇所を整備することとしている。