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CIM検討体制を再構築 3次元モデルに標準仕様

 国土交通省は、4月から直轄事業で本格導入したCIMの検討体制を再構築する。直轄事業におけるCIM活用を2025年に原則化することを目指し、有識者や関係団体でつくる「CIM導入推進委員会」のワーキンググループを再編し、3次元モデル活用の効果を高めたり、受発注者の負担軽減などを議論する。具体的な検討テーマとして▽3次元モデルの標準仕様▽既存構造物の3次元モデル化▽国際標準への対応―などを挙げている。

 8月8日に開いた推進委員会で、こうした方針を確認した。国交省は、今年3月にCIMモデルの作成手順などを定めた「CIM導入ガイドライン案(17年度版)」を策定し、17年度から直轄事業でのCIM活用を本格化した。

 ガイドライン策定を踏まえ、推進委員会の下に▽ガイドライン・要領基準改定▽CIM実施体制検討▽国際標準対応▽現地での検証―の各WGを設け、CIMの普及・拡大について議論する。

 ガイドライン・要領基準改定WGでは、3次元モデルの標準仕様を検討する。3次元モデルから横断面を切り出せるようにしたり、3次元単独図に寸法を記載できる標準仕様を作成し、3次元モデルを契約図書として活用。2次元の設計図書と3次元モデルの二重納品の解消を狙う。3次元モデルから数量を自動算出する方法も検討する。

 既存構造物の3次元化も検討する。既存構造物を点検する課程で得られる写真や位置情報を活用し、低コストで3次元モデルを作成する手法を検討する。現行のガイドラインを見直し、設備や地質・土質調査関係の記載も拡充する。

 同省はECI方式を採用する案件にCIMを導入し、施工者も3次元モデル作成に関与させる。ECI方式を採用する案件では、属性情報の付与、3次元モデルによる数量・工事費・工期算出、3次元モデルのデータ共有方法などを検討し、基準類に反映させる。CIM実施体制検討WGで各工事・業務での検討成果を検証する。

 国際標準対応WGでは、国際的な動向を踏まえた国内でのデータ交換標準を検討。現地での検証WGはCIM活用業務・工事の課題を整理し、必要に応じて現地の地方整備局などに技術支援を行う。