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基本構想案まとめパブコメ実施 門川町新庁舎建設計画

 新庁舎の建設を計画する門川町は、庁舎建設に係る基本的な方向性を示した「門川町新庁舎建設基本構想案」をまとめ、ホームページで公開した。基本構想案では、建設場所について「高台への移転が望ましい」との考えを示したほか、新庁舎の延床面積を5000m2程度、概算事業費を約30億円と試算している。7月14日まで町民を対象としたパブリックコメントを実施し、寄せられた意見を踏まえて基本構想を決定する。

 現在の役場庁舎本館は昭和43年に建設。行政需要の多様化等に伴い、庁舎の狭隘化や窓口の分散化が進み、老朽化に伴う維持管理費の増大が課題となっている。また、近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大地震の津波想定では、約2~5mの高さの浸水も想定され、防災拠点施設としての機能も危惧されている。

 平成25年度には町職員で構成するプロジェクトチームを立ち上げ、現庁舎が抱える問題点や防災拠点の在り方、町民の利便性等に関する検討を開始。町民アンケートや町民審議会及び検討委員会による審議・検討の内容、財政的なタイミング等も考慮した上で、このほど新庁舎建設に係る基本構想案をまとめた。

 基本構想案によると、新庁舎建設の基本方針に関しては、町政の根幹となる第5次門川町長期総合計画等の諸構想・計画を踏まえ、▽ユニバーサルデザインに配慮した庁舎▽行政経営の効率化につながる庁舎▽町民の安全を守る防災拠点としての庁舎▽議会活動を推進する場▽無駄を省いた経済的な庁舎―の5項目を掲げた。

 新庁舎の建設場所については、町民アンケートや現在地と高台へ移転した場合とを比較・検討した結果、「地震による津波から被害を避けられる高台への移転が望ましい」との考えを示した。▽中心市街地との連携▽財政負担を抑えることができる町有地▽スケジュール内で建設できる場所―を考慮し、具体的な位置を選定する。

 新庁舎の敷地については、庁舎規模や駐車場等を考慮し、現庁舎の敷地面積(約8000m2)と同程度または同等以上の有効面積を確保する方針。庁舎建設に係る財源に国の緊急防災・減災事業債を活用する予定であることから、地方債同意等基準運用要綱に基づき、新庁舎の延床面積を約5000m2と想定する。

 想定段階に於ける標準的な各諸室の面積は、▽事務室=1155m2▽倉庫=150m2▽会議室等=1155m2▽玄関・廊下等=984m2▽議会490m2―の合計3934m2。これに加えて、災害対策室や備蓄倉庫、書庫、休憩室、機械室、電気室、町民交流スペースなどとして1000m2を確保する。

 新庁舎建設の総事業費は概算で約30億円を想定。内訳は、新庁舎建設本体工事等が約23億8000万円、附帯工事等が約4億7300万円、各種委託料等が約1億4700万円としている。ただし、基本計画や基本・実施設計等で詳細を決定するため、事業費は変動する可能性がある。

 事業者の選定については、公平な審査基準に従い、選定過程の透明性を図る。特に、基本計画・基本設計・実施設計は、その連動性に配慮し、相乗的な効果が発揮できるよう、豊富な経験や高度な技術力、最適な創造力等を有する事業者を採用できる手法を検討する。また、地元経済への波及効果を推進する方策についても考慮する。

 スケジュール案によると、今年度上半期に基本構想を決定し、下半期より基本計画の策定に着手する方針。同時進行で、建設候補地の地質調査や新庁舎の基本・実施設計、オフィス環境整備計画の策定に取り組む。30年度中に設計を完了させ、31年度より本体建設工事に着手し、付帯工事等を含めて32年度内の完成を目指す。

《門川町新庁舎建設基本構想(案)》