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技術革新、阻害要因は人材・アイデア不足 国交白書

 国土交通省は6月30日に発表した2016年度版国土交通白書で、建設業のイノベーション(技術革新)を阻害する要因に「人材・アイデア不足」を挙げる企業が多いとしている。白書では、多様な人材が活躍できる環境づくり、新技術導入による生産性向上で、イノベーション創出力の強化を図る必要性を訴えている。

 白書では、文部科学省が行った調査で、「能力のある従業者の不足」「良いアイデアの不足」「市場の競争が激しい」などをイノベーションの阻害要因に挙げる建設企業が多かったと記載。

 さらに、他産業と比べ、建設業は政府・公的研究機関などと協力してイノベーションに取り組む機会が少なく、総売上高に対する研究費比率も低い現状を紹介している。

 こうしたことから、国土交通分野全体で、多様な人材の取り込みと人材が活躍できる環境づくり、新技術導入による生産性向上に取り組む必要があると指摘。具体的には、技能者と技能と経験を蓄積する「建設キャリアアップシステム」の構築、建設現場の生産性を高めるi-Constructionなどに取り組むよう求めた。

 また、企業の内部と外部のアイデアを組み合わせて技術革新を生むオープンイノベーションを促進する必要性も訴えた。