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道路橋示方書の改定、18年1月から適用 国交省

 国土交通省は、道路橋や高架の設計に使用する「橋、高架の道路等の技術基準」(道路橋示方書)を改定した。2018年1月1日以降、新たに着手する設計に適用する。今回の改定では、橋梁の設計供用期間が100年であることを規定し、設計時点で維持管理に考慮することを求める他、多様な構造や新材料の導入を容易にする「部分係数設計法」と「限界状態設計法」を導入する。

 道路橋示方書は、技術的な知見や社会的な情勢の変化を踏まえて改定している。6回目となる今回は1972年の制定以来の抜本的な改定となる。

 2014年に5年に1度の定期点検が法定化され、橋梁の長寿命化が本格化したことを踏まえ、橋梁が良好な状態を維持する期間を標準100年と規定する。耐久性設計で、劣化の影響を考慮した部材寸法・構造を採用することに加え、部材寸法や構造とは別に適切な防食方法の選定を求める。

 構造・新材料に対応した新たな設計手法も導入する。安全率を要因ごとに細分化して設定できる「部分係数設計法」と、大地震などの荷重で生じる複数の限界状態に対し、橋梁に求める共通の性能を明確にする「限界状態設計法」を導入。多様な構造や新材料の採用を容易にし、建設・維持管理コストの縮減につなげる。

 この他、熊本地震での落橋被害を踏まえ、ロッキング橋脚を有する橋梁に下部構造の安定性を要求。斜面崩壊の影響を受けない箇所に橋梁を設置することも基準として位置付ける。