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平成28年の水害被害は3850億円 国交省まとめ

 国土交通省のまとめで、平成28年に全国で発生した水害の被害額(暫定値)が4620億円と過去10年で2番目に大きい被害額となったことが分かった。堤防決壊等により岩手県や北海道に甚大な被害を与えた平成28年台風10号の被額害が2820億円と全体の6割超を占めた。

 水害被害額の内訳は、建物・事業所資産などの「一般資産等被害額」が1620億円、河川・海岸・道路などの「公共土木施設被害額」が2810億円、鉄道・水道・電力などの「公益事業等被害額」が190億円となった。

 被災建物棟数は約1万6000棟で、内訳は▽全壊・流出1250棟▽半壊3359棟▽床上浸水2433棟▽床下浸水9002棟―など。浸水区域面積は、宅地・その他が3573㌶、農地が6710㌶の合計約1万㌶となった。

 昨年8月末に発生した台風10号により、岩手県内では多量の土砂や流木を含む洪水により、河川沿いの狭隘な低平地の大部分が浸水。北海道の石狩川水系空知川では、堤防決壊で南富良野町の市街地が浸水した。

 また、6月~7月の梅雨前線豪雨では、熊本地震で地盤が緩んでいた熊本県内で土石流やがけ崩れ等が発生。九州地方整備局管内の4水系6河川で氾濫危険水位を超過し、堤防護岸の損傷等が発生した。

 都道府県別の被害額上位3県は、岩手県が1680億円、北海道が1620億円、鹿児島県が190億円。宮崎県の被害額は105億円だった。