▲災害復旧入契ガイドライン
国土交通省は7月7日、災害復旧に適用する入札契約方式の考え方を「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」としてまとめた。緊急度の高い応急復旧・本復旧では、手続き期間を短縮できる随意契約や指名競争入札の適用を検討することを求め、方式ごとに契約先の選定方法なども記載。随意契約では、災害協定を結ぶ建設業団体から会員企業に関する情報提供を受け、契約先を選ぶことも認める。
7月7日、大臣官房技術調査課長、地方課長、官庁営繕部計画課長の連名で各地方整備局に通知した。ガイドラインは、災害発生時に直轄で発注する復旧・復興工事に適用。地域発注者協議会を通じて地方自治体にも周知する。
直轄工事では、会計法令上の原則である一般競争入札が適用されるが、東日本大震災以降の災害時では随意契約や指名競争入札を適用し、復旧の迅速化を図っている。ガイドラインでは、災害復旧時は、早期・確実な施工が可能な者を短期間で選定することが求められるとして、工事の緊急度や企業の体制に応じた入札契約方式選定の基本的な考え方を整理した。
随意契約は、緊急度が極めて高い応急復旧・本復旧に適用する。契約の相手方は▽被災箇所における維持修繕工事の実施状況▽災害協定の締結▽企業の本支店の所在地▽企業の被災状況▽近隣での施工実績―を踏まえて選定する。発注者と災害協定を結ぶ建設業団体から、会員企業に関する情報提供を受け、契約の相手先を選ぶことも認める。
指名競争入札は、随意契約を適用しない本復旧のうち、出水期や降雪期までに復旧を完了させる必要があり、一般競争入札を適用する時間的余裕がない工事に適用する。
指名企業は、有資格者名簿から▽本支店・営業所の所在地▽同種・類似工事の施工実績▽手持ち工事の状況―を考慮して選定する。平常時と異なる競争環境にあることを踏まえ、指名者数にはこだわらない。ダンピング受注を排除するため、施工体制のみを技術面の評価項目とする施工体制確認型の採用も求めた。
また、地域に精通した企業が施工することが早期復旧につながるとして、一般土木C等級の参加が可能となるよう、発注標準の工事価格帯の上限を引き上げることも求めている。