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短工期強要の防止策など検討 建設業の働き方改革

 建設業の働き方改革を推進する関係省庁連絡会議の初会合が6月29日に開かれ、建設業の長時間労働是正を政府全体でバックアップする方針を確認した。今後、官民の発注者に週休2日を前提とした工期設定を促す「適正な工期設定等のためのガイドライン」を8月に策定する他、受注者による〝工期ダンピング〟、発注者による短工期の強要を防ぐ方策も検討する。民間発注者団体、建設業団体などが参加した「建設業の働き方改革に関する協議会」も7月中に立ち上げ、民間発注者が適正な工期を設定するよう、協力を呼び掛ける。

 今年3月に政府の働き方改革実現会議が決定した実行計画では、現在は適用除外とされている建設業に時間外労働の上限規制を課すと明記。この中では、改正する労働基準法の施行後5年の猶予期間を設け、上限規制の適用に向けた環境整備を進める方針も示された。

 29日に発足した関係省庁連絡会議は、野上浩太郎内閣官房副長官を議長とし、国土交通省、厚生労働省、農林水産省、総務省、公正取引委員会などの局長級で構成。

 初会合では、建設業が時間外労働の上限規制に対応できるよう、適正な工期設定、施工時期の平準化、建設現場の生産性向上を図るためのガイドラインを策定し、このガイドラインを国の発注機関が順守する方針を確認した。地方自治体と独立行政法人にもガイドラインの順守と週休2日などへの対応強化を求める。

 また、ガイドラインでは、適正な工期設定に伴うコストの増加で、必要経費にしわ寄せが生じないよう注意を喚起する。社会保険料の原資となる法定福利費、安全衛生経費を含んだ適正な請負代金で契約を結ぶことを徹底する。国交省の直轄工事で使用する「工期設定支援システム」などを参考に、ガイドラインに適正な工期の考え方も盛り込み、受注者による工期ダンピング、発注者による短工期の強要を指導する仕組みも検討する。

 民間の発注者にもこのガイドラインの順守を要請する。主要な民間発注者団体、建設業団体、労働組合が参加する協議会で、ガイドラインを周知するとともに、受発注者間の長時間労働是正に向けた理解を共有する。