国土交通省が行った調査(5月1日時点)で、中央公共工事契約制度運用連絡協議会=用語解説=の低入札価格調査基準モデル(中央公契連モデル)と同等か、モデルを上回る基準を設けている都道府県が35団体あることが分かった。同様に、最低制限価格は31団体がモデルと同等か上回る基準を設けている。中央公契連モデルは、国交省の直轄工事における基準引き上げを受けて改正し、3月に直接工事費の算入率を95%から97%に引き上げている。
直轄工事では今年3月、低入札価格調査基準を見直し、価格を設定する際の直接工事費の算入率を引き上げた。直接工事費を構成する機械経費・労務費・材料費のうち、労務費を95%から100%に引き上げたことで、直接工事費の算入率は95%から97%に上昇した。
これを受け、国の中央省庁などでつくる中央公契連も低入札価格調査基準モデルを改正。モデル改正は前年度に続く2年連続となる。国交省は、総務省と連名で全国の地方自治体にモデル改正を踏まえてダンピング対策を強化するよう要請していた。
国交省の調べによると、5月1日時点で中央公契連モデルを上回る水準の低入札価格調査基準価格を独自に設けている都道府県が10団体、モデルを採用しているか、モデルに準拠している都道府県が25団体あった。また、最低制限価格は、モデルを上回る水準のものを独自に設けている都道府県が12団体、モデルと同等か準拠している都道府県が19団体あった。
5月1日時点で中央公契連モデルを下回る基準を設けている都道府県は、低入札調査基準価格で11団体、最低制限価格で7団体あるが、この中には、6月26日の入札公告から基準改正を適用する東京都などの都道府県も含まれている。
■用語解説=中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)国の中央省庁や特殊法人などが参加し、低入札価格調査基準や指名停止などの「中央公契連モデル」により、制度を統一的に運用している。モデルは、国交省の直轄工事における制度改正に応じて見直すのが通例で、都道府県・市町村などの多くもこのモデルに従って制度を運用している。