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国に教育機会の提供求める AI・IoT普及影響調査

 IoT・ビッグデータ・AIなどICT(情報通信技術)の普及とイノベーションによる雇用や労働への影響を、企業はどのように考えているのか―。厚生労働省は「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究」の結果と、汎用AIが登場すると言われている2030年に向けた、個人・企業・国へのメッセージを報告書にまとめた。報告書はAIなどが普及する中にあっても、職を得て活躍できるよう、現在7~11歳くらいの年齢層にある子どもたちが「AI時代に求められるエンプロイヤビリティ(職を得る力)を高めることにつながる教育機会を提供していくことは、国・政府の役割」と指摘した。

 報告書は、調査に回答した3社に1社以上の企業が、「2030年には、現在40歳以前後のホワイトカラー(大卒以上)のうち、5割以上の人の担当業務の一部がAIなどで代替されるようになる」と考えていることが分かったなどとして、「今後、単純業務や定型業務はAIなどに代替されていく」と予想。現在のビジネス社会で組織の中核を担っている40歳前後の人たちが2030年になっても能力を発揮し、企業に貢献するためにも「IoT・ビッグデータ・AIなどを使いこなしていく能力や、AIなどに置き換えられない能力を身につけていく」よう促した。

 企業に対しては、「AIなどをツールにして新しい商品・サービスやビジネスなど新しい価値を生み出す企業が増えなくては、社会全体としての雇用機会は創出されない」と強調。

 その上で、「人口減少時代において、企業に取って人材はまさしく『人財』」だとして、「その人材から選ばれる企業になるためにも、企業は投資を行い、AIなどを活用して新しいビジネスを創出し、働く人に魅力的な活躍の場を提供していく必要がある」とした。

 一方、国に対しては、「2030年の新規学卒者に求められる」重要な能力・経験は、情報収集能力や課題解決能力、論理的思考などの業務遂行能力といった「いわば人間が社会で生きていく力を身に付けることにある」と考える企業が多くなっていると指摘。ITネーティブと言われる若年層の育成と、中高年層の再教育は、目線を変えて取り組むべきだとした。