国土交通省は、地方自治体における施工時期の平準化の進捗を把握する指標として「平準化予算率」を活用したい考えだ。平準化予算率は、公共事業予算に占める債務負担行為設定額の割合を平準化予算率として算出。予算執行の面で平準化の状況を把握し、各自治体が進捗をフォローアップできるようにする。
予算執行に着目した平準化予算率を指標に据えることで、自治体の平準化の進捗を客観的に把握し、各自治体が自己評価できるようにする。6月中に全国8ブロックで開く監理課長等会議などで各都道府県の意見を聞き、指標の定義・設定方法を調整する。
単年度予算では3月が工期末となる工事が増えるため、1~3月に公共工事の繁忙期、4~6月に閑散期が生まれてしまう。このため国交省は、施工時期を平準化し、受注者が人材・資機材を効率的に調達するには、年度を跨(また)ぐ工期設定を可能にする債務負担行為の設定が有効とみて、2017年度の直轄事業では、2カ年国債に約1500億円、ゼロ国債に約1400億円の「平準化国債」を確保。自治体にも、同じように債務負担行為を活用し、施工時期を平準化するよう働き掛けている。
国交省が行った施工時期の平準化に関するアンケート調査(2月時点)によると、施工時期を平準化するために債務負担行為を活用している都道府県は増加傾向にある。特に、ゼロ債務負担行為を交付金事業に活用した都道府県は前年度の6団体から21団体に大幅に増えている。また、柔軟に工期を設定できる余裕期間制度も「発注者指定方式」で16団体、「任意着手方式」で21団体の都道府県が活用するなど、施工時期の平準化は自治体にも徐々に浸透してきている。