▲発注金額と人口規模を基準とする考え方
国土交通省は、最低制限価格制度などのダンピング対策を導入していない市町村10団体に対し、制度導入を重点的に要請する。ダンピング対策を未導入の158団体のうち、人口1万5000人以上で、直近3カ年の発注金額が平均15億円以上などの基準で絞り込み、個別に制度導入を働き掛ける10団体を選んだ。対象の10団体には、同省が7月に行う調査の回答を踏まえ、個別に制度導入を求める。
入札契約適正化法に基づく実態調査(2016年4月1日時点)によると、最低制限価格と低入札価格調査制度は、全ての都道府県・政令市がいずれかの制度を導入しているが、市区町村では全体の9.2%に当たる158団体でいずれの制度も導入していない。
調査基準価格と最低制限価格は、品確法の運用指針で「適切な活用を徹底する」とされており、発注者に必ず実施することが求められている。同省は、落札額に下限を設けないことが過度なダンピングを助長する恐れがあるとして、人口や発注規模を基準に対象団体を絞り込み、制度導入を重点的に要請する。
重点要請の対象は、ダンピング対策を導入していない158団体の中から「人口1万5000人以上、かつ直近3カ年の平均発注金額が15億円以上」の基準で絞り込んだ。人口が1万5000人未満であっても、直近3カ年の平均発注金額が20億円以上の市町村も重点要請の対象とする。
ブロック別の対象団体は、北海道・東北が5団体、北陸が1団体、中部が1団体、中国が1団体、九州・沖縄が2団体。関東、近畿、四国に該当する市町村はない。
同省は6月1日からスタートしたブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)で、各都道府県に重点要請への協力を呼び掛ける。7月から対象団体にアンケート調査を行った上で、個別に制度導入を求める。