▲講演する長屋明浩氏
日建設計・日建設計総合研究所などで構成する日建グループは21日、名古屋市内で「日建グループNSRIフォーラム名古屋」を開いた。ヤマハ発動機の長屋明浩執行役員デザイン本部長がブランディングやデザインの観点から「名古屋・栄のまちの魅力づくり」と題して講演した他、日建設計若手グループが、久屋大通公園の将来構想についてパネルディスカッションを展開した。
長屋デザイン本部長は、トヨタ自動車でレクサスなど基幹モデルのデザインを手掛けた経験を通して、「メッセージが込められるからこそブランドであり、それを表すのがデザインである」と持論を展開。その上で、栄のまちのブランディングについて、「時間的・歴史的な断絶や、地下と地上との空間的な断絶が見受けられ、全体的なブランディングが見えない」と指摘。京都のまちを例示し、「名古屋の誇れる資産を『見える化』『味わえる化』することが重要。名古屋駅周辺は未来都市、栄は文化都市といった機能性と歴史性をあえて対比させることも考えたい。『味わえる』が魅力向上のキーワードとなるだろう」と、久屋大通公園を含めた栄の魅力づくりを構想した。
日建設計の亀井忠夫社長は、「まちのブランディングの重要性を学んだ。そしてブランドをデザインすることで地域の暮らし方が変わるということにも気付かされた。皆さまと力を合わせ、本日のフォーラムを『まちをデザインする』プラットフォームとしていきたい」とあいさつした。
同社の西村浩執行役員名古屋代表は、「栄のまちの活性化についての議論が、名古屋の魅力づくりにつながることを期待する」とフォーラムの意義を語った。
*日建グループ=日建設計、日建設計総合研究所(NSRI)、北海道日建設計、日建設計シビル、日建ハウジングシステム、日建スペースデザイン、日建設計コンストラクション・マネジメント。