外部有識者が各府省の事業を点検し、評価結果を次年度の予算に反映させる「行政事業レビュー」の公開プロセスが6月21日に開かれ、国土交通省の直轄国道の修繕に対し「事業内容の一部改善」を求める評価結果が下った。現在は5年に一度行っている橋梁・トンネルの点検頻度を一律としないことや、点検だけでなく修繕の実施率にも成果目標を設けるよう要請。修繕工事などの1者応札の改善も求めた。
同省では、2014年度から橋梁とトンネルで点検・診断・措置(修繕)・記録のメンテナンスサイクルをスタート。点検結果を踏まえて早期に修繕工事を実施する予防保全型のメンテナンスを実施することで、ライフサイクルコストの縮減を図っている。
このうち、5年計画で進めている点検は、15年度末までに橋梁の34%、トンネルの46%で完了。同省は、予防保全型の導入により、直轄国道の修繕費を年平均200億円程度縮減できると推計している。
公開プロセスに参加した外部有識者は、予防保全型のメンテナンスを大枠として評価。一方、点検頻度が一律で5年スパンに設定されていることについて「車両の通行量に応じて点検頻度を変える必要があるのではないか」などと問題提起。予算の成果目標に点検実施率が使用されていることについても「点検結果に応じた修繕の成果目標も定めるべき」などと意見した。
また、直轄国道の修繕工事などは、体制確保が困難なために応札者が少なく、結果として1者応札になるケースが多い。減少傾向にあるとは言え、16年度も全体の32.7%で発生しており、引き続き1者応札の改善に力を入れるよう求めた。