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木材・木材製品輸出拡大へ取組方針 林野庁

 林野庁の輸出戦略実行委員会林産物部会は「木材・木材製品の輸出拡大に向けた取組方針」をまとめた。主要輸出先国である中国と韓国、さらに新たな輸出先として有望な台湾とベトナムへの輸出拡大策について、独自に輸出の拡大に力を入れている都道府県などの意見も踏まえ、具体的な取組方針を盛り込んだ。

 林野庁は、農林水産省が2013年に策定した「農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略」で掲げた輸出額1兆円の目標に向け、木材など林産物の輸出強化に取り組んでいる。その成果も少しづつ表れ始め、林産物の輸出額は、15年は270億円、16年には274億円にまで増えている。ただ、品目別では丸太が多く、輸出先にも偏りがあることなどが課題となっている。

 国産材の主要な輸出国は、中国、韓国、台湾、ベトナム―の4カ国。中でも日本にとって中国は最大の木材輸出国。しかし、日本から中国に輸出される木材の大半はスギ丸太で、これらは主として建築工事材(型枠材)や梱包材として利用され、また40㌢以上の大径材は棺桶として使われている。トドマツ丸太については、垂木・梱包材、パレット材などとして利用されている。

 「取組方針」は、こうした状況にある日本の木材製品が建設資材として適切に使用されるようになるためには「現場レベルで技能者を育成する必要」があると強調。

 また、中国では木造住宅は着工数が少ない上に、2×4工法が主流となっているため、木造軸組住宅の設計・施工を実施できる技術者が少ない」という課題も分析した上で、「木造軸組住宅の設計・施工を担うことのできる建築士・設計士や大工などの技術者・技能者の育成が必要」だと指摘。▽木材・建築関連の留学生を対象とした日本産木材利用に関するセミナーの開催▽インテリアデザイナーや内装施工業者を対象とした施工技術研修会の開催―などを提案した。