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建設業の女性活躍推進 企業・団体が先進事例を発表

 国土交通省は6月20日、建設業の女性活躍について話し合う「建設産業女性活躍推進会議」を開き、女性が活躍できる環境づくりに取り組む企業・団体が先進事例を発表した。由井電気工業(東京都)の由井健太郎代表取締役は「女性を採用しても定着しなくては意味がない」と、各部署に複数の女性を配置するなど、女性が働きやすい社内体制構築に力を入れたと説明。三承工業(岐阜市)の西岡徹人代表取締役は子連れで勤務する『カンガルー出勤』を認めたり、育児中の女性の視点を生かしたモデルハウスを建設した事例などを紹介した。

 この会議は、建設業での女性の活躍を推進するため、国交省の主催で初めて開かれた。▽静岡県建設産業担い手確保・育成対策支援コンソーシアム▽北海道ブリリアント会▽三承工業▽由井電気工業▽長谷工コーポレーション―の2団体・3社がそれぞれの取り組みを発表し、有識者らと意見交換した。

 由井電気工業の由井社代表取締役は、女性を積極的に雇用するには、建設業の3K(きつい・汚い・危険)から脱却する必要があると考え、女性社員の意見を生かしてオフィスを改装。有名ブランドと提携し、女性用作業着も共同開発した。

 社内体制も女性が働きやすい形へと再構築。「女性を1人だけ男性の中に配属したら、すぐに退職してしまう」と考え、各部署に2人以上の女性を配置するようにした。11年に12%だった女性社員の比率は17年に42%まで上昇。売上高も2倍近くまで増加している。

 三承工業の西岡社長は、草刈りの下請けから始めた会社が10年たち「社員も協力会社も誰も幸せになっていない」と感じ、企業風土を改めるために注目したのが女性も働きやすい社内環境の整備だった。

 育児中の女性社員が子供を見ながら勤務できるよう、子連れで出勤するカンガルー出勤を認め、キッズスペースなども設けた。育児中の女性の視点を生かした住宅建設に力を入れているという。