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重要インフラ、ロボット等で点検効率化 政府・成長戦略

 政府がまとめた「未来投資戦略2017」(成長戦略)の素案で、政策資源を集中的に投入する5分野の一つに『快適なインフラ・まちづくり』が位置付けられた。25年度までに建設現場の生産性2割向上を目指すとした他、2030年までに全ての重要インフラでセンサー・ロボット・非破壊検査を活用して点検や補修を効率化する目標も打ち出した。

 素案では、熟練労働者の高齢化が進む一方、老朽化したインフラの更新や、防災対策などのニーズがある中、建設機械とデータの融合によって効率性と安全性を両立させた維持管理・更新を建設分野に浸透させると提案。

 その上で、i-Constructionによって「公共が牽引する社会実装」を進めると提唱。ICT施工の対象を橋梁・トンネル・ダムに拡大するとともに、ICT施工で利用する3次元データをオープンデータ化する。自治体工事を受注する中小建設企業にICT土工のメリットや基準を浸透させるため、実工事での実演型支援も行う。

 この他、インフラ点検や災害対応ロボットの評価基準を17年度中に作成するとともに、ロボットを活用する際の点検マニュアルもまとめる。2020年をめど20%、30年までに100%の重要インフラや老朽化したインフラで、センサー・ロボット・非破壊検査技術を活用し、点検の効率性を高める。

■外国人建設就労者受入事業の運用を見直し

 政府の「未来投資戦略2017」(成長戦略)の素案に、外国人建設就労者受入事業の運用を見直す方針が盛り込まれた。受入事業は、東京五輪関連の建設需要に対応するため、20年度末までの時限的措置として技能実習の修了者に最長3年の在留資格を与えている。事業の終了まで2年を切る18年度以降、外国人建設就労者が減少する恐れがあるため、受入事業の運用を見直して東京五輪の関連施設整備の施工体制を充実させる。

 外国人建設就労者受入事業は、東京五輪の関連施設整備による一時的な建設需要の増加に対応するため、15年4月から21年3月までの時限的措置としてスタート。技能実習2号の在留資格で日本に滞在した外国人技能実習生に対し、最長3年の在留資格を別枠で与える。

 15年4月から今年3月末までの2年間で日本に入国した外国人建設就労者は1480人に上る。ただ、18年度以降に入国する外国人建設就労者は、最長3年の在留資格があっても、受入事業が終了する20年度末までには帰国しなくてはならない。また、今年11月には、最長3年の技能実習生の実習期間が、優良な受入企業と監理団体に限り最長5年に延長される。

 18年度以降、外国人建設就労者の入国者が減少する恐れがあることから、東京五輪の関連施設整備における施工体制を充実できるよう、受入事業の運用を見直して現場の人手不足を回避する。