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ICT土工が浸透、自治体31団体が実施 国交省

 国土交通省と都道府県・政令市が全国8ブロックで開いた「地方ブロック土木部長等会議」で、2017年度にICT土工を実施する予定の都道府県・政令市が31団体あることが分かった。新たに12団体がICT土工を発注する。土木部長等会議では、ICT土工の受注に消極的な地域建設業もいる中、小規模工事の採算性を改善する必要性も確認した。また、17年度に週休2日モデル工事を実施する都道府県・政令市が前年度の3倍を超える59団体(検討中含む)に上ることも明らかになった。

 土木部長等会議は、公共工事の品質確保を目的に春・秋の年2回開かれる。今回は、建設現場の働き方改革と生産性向上をテーマに、国交省幹部と都道府県・政令市の土木部長らが意見交換した。

 ICT土工は16年度に直轄工事584件の現場で稼働した。ただ、国交省が目指す「25年度までに建設現場の生産性を2割向上」の実現には、まずICT土工をはじめとするi-Constructionを自治体の発注工事に拡大する必要がある。

 土木部長等会議では、ICT土工を発注する都道府県・政令市が前年度の19団体から31団体に増えるなど、取り組みが着実に浸透していることを確認。3次元ソフトウエアなどの投資に踏み切れず、受注に消極的な地域建設業もいるため、段階的に3次元データを導入する自治体も一部にあるという。また、小規模工事の採算性を改善する必要性についても、国交省と都道府県・政令市の間で認識を共有した。

 一方、建設現場の働き方改革では、17年度に週休2日モデル工事を実施する都道府県・政令市が前年度の18団体から59団体(検討中含む)に大幅に増えた。国交省は土木部長等会議で、原則週休2日の工期設定を可能にする▽工事着手準備期間・後片付け期間の見直し▽工期設定支援システム▽間接工事費の補正―など、直轄工事での取り組みを説明し、モデル工事で活用するよう呼び掛けた。