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一人親方労災保険、加入促進に積極姿勢 厚労省

 厚生労働省は、建設現場に従事する一人親方に対し、労災保険の特別加入制度への加入を働き掛ける。2017年度中に特別加入制度に関するリーフレットを改めて作成し、建設業団体などを通じて一人親方に配布。未加入の一人親方にはアンケートも行い、加入に至らない理由や特別加入制度の課題などを調査する。

 事業主に雇用されている労働者には、労災保険の加入が義務付けられているが、事業主・自営業主・家族従業員は加入対象ではなく、業務中に負傷しても労災保険給付を受けることができない。

 建設現場に従事する一人親方は労働者を雇用せず、実態は労働者と変わらないことから、労働者に準じて労災から保護する目的で特別加入制度が設けられている。

 15年度末時点で特別加入制度に加入する一人親方は45万1049人。00年度末の21万5532人と比べると、加入者は2倍超に増えている。ただ、同省は、建設現場に従事する一人親方が全国に約63万人いると推計しており、3割の一人親方が労災保険に加入せず現場に従事していることになる。

 6月9日に閣議決定された建設職人基本法の基本計画では、16年に業務中に死亡した一人親方が75人に上るため、一人親方の安全を確保する必要性を指摘。「特別加入制度への加入促進を徹底する」と記載した。

 厚労省は、特別加入が任意であるため、一人親方に積極的な加入を求めてこなかったが、基本計画の閣議決定を受け、未加入の一人親方の実態を把握し、加入を促進するよう方針を転換する。

 まず、一人親方にも分かりやすい特別加入制度のリーフレットを作成、建設業団体を通じて配布し、一人親方に加入を促す。未加入の一人親方の実態を把握するためにアンケートも行い、未加入である理由、特別加入制度の課題なども調査する。