日本下水道事業団(JS)は新技術導入制度で、JSと住友重機械エンバイロメントが共同開発した「破砕・脱水機構付垂直スクリュー式除塵機」を新技術Ⅰ類(JSが単独または共同開発した技術)に選定した。
し渣発生量を一般的な除塵機の20分の1以下(重量ベース)に削減することが可能で、以前からあるスクリーン付き破砕機に破砕片の回収・搬送機能を一体化することでコンパクト化を実現している。機器点数が従来型除塵機に比べ少ないため、し渣搬送・貯留設備の省略化が可能となり、設備にかかる費用を削減する他、し渣処分費削減、点検・維持管理性を向上する効果がある。
従来システムの除塵機は、破砕装置、洗浄装置、脱水機、スキップホイスト、ホッパー、搬出機で構成し、機器点数が多いことやし渣に有機物が多く混ざり不衛生なことが課題だった。
今回の除塵機は、以前からあるスクリーン付き破砕機の下流側にパンチングメタルを設けることで、し渣を破砕し、ふん塊などの洗い流し効果を得られるとともに、形が残るし渣を捕捉・搬出する。洗い流し効果と搬送時の脱水効果でし渣発生量の大幅削減を可能にしている。
技術適用範囲は、分流式下水道で水路形状が幅600㍉以上、深さ7㍍以下。天井高さは水路深さプラス3㍍以上。
JS新技術に登録済みの技術は、今回の選定分を含め、Ⅰ類18技術、Ⅱ類(国、自治体などの公的機関が開発した技術で、JSが技術確認済み)5技術、Ⅲ類(Ⅰ、Ⅱ類以外で、JSが技術確認済み)1技術となる。