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所有者不明土地、地方は26.6% 法務省調査

法務省は、長年にわたって相続登記が行われず、所有者が不明になっている土地を把握する初めての調査結果を公表した。調査対象10万筆のうち、50年以上にわたって登記が行われていない土地は大都市で6.6%、中小都市・中山間地域で26.6%に上っている。

 相続登記が長年行われず所有者が把握できない「所有者不明土地」は、相続した所有者を把握できず、公共事業の用地取得を長期化させる要因になっている。

 調査は、全国10地区の中から公共事業の計画区域や耕作放棄地対策を検討している地域など10万筆を選んで行った。調査結果によると、最後の登記から50年以上が経過した土地は、大都市で6.6%、中小都市・中山間地域で26.6%あった。

 相続登記が70年以上行われていない土地は、大都市で1.1%、中小都市・中山間地域で12%、90年以上は大都市で0.4%、中小都市・中山間地域で7%あった。

 所有者不明土地を巡り、法務省と国交省は、次期通常国会に関連法案を提出し、公共事業などの公的利用を認める新たな仕組みを構築する。

 農地などでは、所有者が所有権を持ったまま、第3者に対して土地の利用権を認める制度がある。こうした事例を参考に、所有者不明土地に利用権を設定し、土地を買収せずに公共事業用地として活用する方向で検討する。