国土交通省は、7月にも中央建設業審議会の総会を開き、経営事項審査の改正について審議する。建設産業政策会議で検討している社会保険未加入企業に対する減点の強化、建設機械保有の加点方法見直しなどを諮る見通しだ。中建審では、元請け・下請けに請負代金内訳書への法定福利費の明示を義務付ける、建設工事標準請負契約約款の改正も議題となる見込み。
経審は、建設産業政策会議の企業評価ワーキンググループのとりまとめをベースに改正内容を検討している。「生産性向上」「働き方改革」「地域貢献」に取り組む企業に対する評価方法を見直す方向性が示されている。
社会保険未加入に対しては、既に「社会性(W点)」の評価項目で最大120減点する措置を講じているが、W点の合計がマイナスになる場合もゼロ点で扱っている。未加入企業のW点をマイナスに扱えるようにするなど、減点措置を強化する。
同じW点で最大15点を加点している建機保有は、保有台数の少ない小規模企業に対する加点幅を拡大する。インフラの維持や除雪を「経営規模(X点)」の完成工事高に反映する措置を講じることも検討している。
標準約款は、社会保険未加入対策を強化する目的で改正する。公共工事・民間工事・下請けの標準約款を見直し、発注者に提出する請負代金内訳書に法定福利費を明示することを義務付ける他、発注者が受注者に支払う請負代金に法定福利費が含まれることを明記する。公共標準約款には、下請けを加入企業に限定する規定を設けることも検討している。