国土交通省は、都道府県の監理課長や契約担当課長らを集めた「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)を6月1日から全国8会場で開く。同省は夏以降、低入札価格調査制度などのダンピング対策を未導入の市町村のうち、発注金額などが一定基準以上の市町村に重点的に導入を要請する方針で、会議に参加する都道府県にも理解と協力を求める。この他、社会保険未加入対策の強化や週休2日モデル工事の拡大なども働き掛ける。
監理課長等会議は、国交省の呼び掛けで半期に1度開催している。ここ数年は、国交省・都道府県が認識を共有するため、申し合わせを行うのが通例で、今回もダンピング対策や社会保険未加入対策、施工時期の平準化などの推進について申し合わせを行い、都道府県と認識を共有したい考え。
ダンピング対策を未導入の市町村は、2016年3月末時点で158団体あり、国交省は、このうち人口・発注金額・普通建設事業費などが基準を上回る10数団体を絞り込み、ダンピング対策の導入を個別に要請する。要請に当たり、都道府県にも協力を求める。
また建設現場に週休2日を定着させるため、都道府県にモデル工事の実施を促す。同省が会議に合わせて行った調査では、モデル工事を実施している都道府県は昨年11月の9団体から20団体に大幅に増加。残る27団体に実施を働き掛けるとともに、実施済みの団体にもモデル工事の件数拡大を訴える。
社会保険未加入対策も会議のテーマの一つになる。入札段階の未加入企業の排除措置を1次下請けや2次下請け以下に拡大するよう求める他、市町村発注工事の積算に法定福利費(事業者負担分)が計上されているか、都道府県に実態を聞く。
会議ではこの他、建設産業政策会議で検討している「フレームワーク方式」などの新たな入札契約方式についても説明。自治体の発注体制を補完する発注関係事務の共同化(一部事務組合、広域連合、連携協約など)の活用状況なども聞く。