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公共建築工事、発注者の役割で解説書案 国交省

 国土交通省は5月25日、都道府県・政令市の営繕課長らを集めた「全国営繕主管課長会議」を開いた。同省は会合で、ことし1月に社会資本整備審議会の官公庁施設部会がまとめた提言「公共建築工事の発注者の役割」の解説書案を説明。答申で示した公共建築工事の発注者が果たすべき44項目の役割について、理解を深めるよう訴えた。

 会合の冒頭で大臣官房官庁営繕部の川元茂部長は「これまで十分に整理されていなかった公共建築工事の発注者の役割が明確化されるとともに、役割を果たすための方策が示された」と答申の意義を説明。その上で「組織内で連携しつつ、答申を参考にしてもらいたい」と訴えた。

 官公庁施設部会の答申では、公共建築工事の発注者に対し、事業部局が行う企画立案と予算措置に対する技術的助言、設計者・施工者に対する発注条件の整理といった役割を果たすよう提言。体制が脆弱(ぜいじゃく)な発注者がこうした役割を果たせるよう、国土交通省に支援策を講じることも求めた。

 国交省が作成する解説書は、答申で求められた支援策の一つ。答申で示した発注者の役割に関する解説、国交省の官庁営繕事業における運用事例などを44項目にまとめている。6月に第1版としてまとめ、各発注者のニーズを踏まえて継続的に見直す考えも示されている。

 この他、全国営繕主管課長会議では、答申を踏まえた支援策として、設計者選定の手続きや運用事例を盛り込んだ手引きとして「建築設計業務委託の進め方」をまとめることで合意。公共建築物の合築や複合化などの事例集とともに18年5月に開く次回総会に提示する。

 また、技術職員が不足する自治体などの体制を補完する発注者支援業務の事例集は18年度総会で更新する予定だ。