国土交通省は、公共工事における新技術活用システム(NETIS)の登録技術の中から、公共工事の技術水準を一層高める有用な新技術を対象に2017年度の「推奨技術」「準推奨技術」「評価促進技術」として合計9件の新技術を選んだ。推奨・準推奨技術に選ばれた新技術を直轄工事で活用した企業には、総合評価方式や工事成績評定のインセンティブが与えられる。
有識者でつくる新技術活用システム検討会議で、推奨技術1件、準推奨技術6件、評価促進技術2件を選定した。
推奨技術と準推奨技術は、技術提案に対象技術を盛り込んだ入札参加者を総合評価で積極的に評価する他、施工者希望型で対象技術を活用すると、施工者の工事成績に加点措置を与える。地方自治体や学術機関など、地方整備局以外の推薦を受けた評価促進技術は、直轄工事などで活用・評価し、推奨技術などへの推薦を検討する。
今回、唯一の推奨技術に選ばれたのは、雑草・雑木の粉砕や回収に使用する「ブッシュチョッパー&アースシェーバー」で、開発者は冨ケ原組(鹿児島県)とアグリパートナー宮崎(宮崎県)。遊休農地の復旧に使用していた農業機械をバックホウに取り付けられるよう改良し、河川堤防など起伏の多い土地の雑草や竹、雑木を伐採・集積する装置として開発した。
国交省は、16年度までに選定された推奨技術を掲載する「推奨技術等専用サイト」を開設しており、17年度の選定技術についても順次掲載する予定だ。
推奨技術などに選ばれた新技術は次の通り(カッコ内は技術開発者)。
【推奨技術】▽ブッシュチョッパー&アースシェーバー(アグリパートナー宮崎、冨ケ原組)
【準推奨技術】▽MMA点字タイル(安全交通試験研究センター)▽地盤改良管理システム(岩崎)▽河川護岸基礎用プレキャストコンクリートブロック(国交省中国地方整備局、イズコン、ニチブ)▽赤外線調査トータルサポートシステム Jシステム(西日本高速道路エンジニアリング四国)▽RASコラム工法(ライト工業)▽ソイルクリート工法(日本植生)
【評価促進技術】▽ブレード&フラットグラブ工法(関門港湾建設)▽ARCフェンス(プロテックエンジニアリング、金森藤平商事、エイ・シイ・デイ)。