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標準見積書、立入検査で活用指導 法令遵守推進本部

 国土交通省は、建設業法違反の指導・監督を目的に各地方整備局に設置している「建設業法令遵守推進本部」の2017年度活動方針を決めた。前年度に始めた法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)の活用を徹底させる立入検査を引き続き実施する。また、下請け中小企業の取引条件を改善するため、下請け代金を可能な限り現金払いとすることを求めた「建設業法令遵守ガイドライン」の周知を図るなどとした。

 標準見積書の活用を徹底する立入検査は、主に民間建築工事を受注する元請け企業(大臣許可)を対象に行っており、初年度の16年度は338件で実施。下請け企業から提出された標準見積書を尊重し、法定福利費を適正に支払うよう指導した。

 公共工事と比べ、社会保険未加入対策の認知度が低い民間建築工事で法定福利費がいきわたる環境を整備する取り組みの一つ。17年度も前年度と同様、主に民間建築工事を受注する元請けを対象に法定福利費の適正な支払いを指導する。

 この他、下請け中小企業の取引条件の改善にも取り組む。国交省は、今年3月に建設業法令遵守ガイドラインを改訂し、下請け代金の支払いに関する記載を追加。下請け代金をできる限り現金払いとすることや、手形期間を将来的に60日以内に短縮することなどを求めた。17年度は、改訂したガイドラインの周知に努めるなどとしている。

 推進本部では、16年度に建設業法違反の通報窓口である「駆け込みホットライン」で受け付けた1719件の通報などを端緒に立入検査839件(前年度比10.5%増)を実施した。立入検査の結果などから、建設業法に基づく営業停止32件、指示8件、勧告184件を行った。