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メンタルヘルス、教育研修の在り方を検討 建災防

 建設業のメンタルヘルスケアの在り方について検討している建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)は、「建災防方式健康KY(危険予知)と無記名ストレスチェック」の建設現場での導入・定着に向けて、2017年度は建設労働者の健康状態などを評価する方法や、教育研修の在り方を検討する。

 建災防は、15年12月に「建設業におけるメンタルヘルス対策のあり方に関する検討会」を設置し、建設業の特性を踏まえた、建設労働者の心身の健康を確保するためのツールの開発やマニュアルの作成を進めてきた。

 15年度は「建災防方式健康KY(危険予知)と無記名ストレスチェック」を開発。16年度には▽無記名ストレスチェックの建設現場用標準値▽無記名ストレスチェックの集団分析結果出力プログラム▽無記名ストレスチェック実施結果に基づく職場環境改善ツールとマニュアル―の三つのツールを作成し、「職場環境改善活動を評価するための現場全体ストレス反応指数」も算定していた。

 建災防は、これらの検討の成果を普及させ、建設業のメンタルヘルスの取り組みを全国に水平展開する必要があると考えており、17年度は「建災防方式健康KY(危険予知)と無記名ストレスチェック」を実施し、職場環境の改善に取り組んだ事例の収集方法や、収集した事例の心理的・法的な側面からの評価手法などを検討。

 さらに、「建災防方式健康KY(危険予知)と無記名ストレスチェック」の普及・定着を実現するための教育研修の在り方についても検討する。

■職長の安全衛生レベルアップ研修開講

 建設業労働災害防止協会は、2017年度に「職長・安全衛生責任者能力向上教育講師レベルアップ研修」を新規に開講する。厚生労働省安全衛生部が16年10月に「安全衛生教育等推進要綱」を改正し、これを踏まえて安衛部が17年2月20日に発出した通知「建設業における職長等の能力向上教育に準じた教育等について」の中で、職長・安全衛生責任者に実施すべき教育カリキュラムが新たに示されたことを受けての対応。

 建設現場の第一線で要として働いている職長は、安全、品質、原価、工程―の四つの管理を担いながら、元請けとの安全衛生に関する連絡・調整を行う安全衛生責任者の役割を兼ねるケースも多い。

 このため、建災防は厚労省が06年5月に出した通達「基発第0512004号」に基づいた「職長・安全衛生責任者教育」を実施。また、「職長・安全衛生責任者能力向上教育」を初任時教育を受けてからおおむね5年ごとに各都道府県支部で実施するとともに、職長・安全衛生責任者教育の講師についても同通達を受けて、職長・安全衛生責任者教育講師養成講座も開講している。