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2017年度建設投資は横ばい 貸家着工に落ち着き

 建設経済研究所と経済調査会は、2017年度の建設投資(名目値)が前年度比1%減の51兆6500億円と、ほぼ横ばいになる見通しを明らかにした。今年1月の集計から1600億円の下方修正となる。16年度2次補正予算の一部が17年度に出来高として実現するため、政府建設投資は横ばいの21兆7700億円(0.8%減)、民間住宅投資は相続税の節税対策による貸家の着工が落ち着くとみて、1.2%減の14兆8700億円になると見込んでいる。

 16年度の建設投資は2.4%増の52兆1900億円となる見込みで、投資額は04年度以来の高水準になる見通し。続く17年度の建設投資もほぼ同じ水準で推移すると予測している。

 17年度の政府建設投資は、17年度当初予算が横ばいになったことに加え、16年度2次・3次補正予算の出来高が一部上乗せされるとみて、0.8%減の21兆7700億円になると見込んでいる。内訳は、政府建築投資が3.3%減の2兆6200億円、政府土木投資が0.5%減の19兆1500億円となっている。

 民間住宅投資は、投資額が1.2%減の15兆0100億円、着工戸数が3.5%減の93万7000戸と微減の予測。住宅ローン金利の低下を受けた着工の増加が落ち着き、持ち家が1.3%減の28万9000戸、分譲住宅が2.1%減の24万2000戸といずれも微減となる見通し。

 相続税の節税対策により、16年度に10.9%増と大きく伸びた貸家は、ストックの充足などで減少に転じるとみており、5.9%減の40万戸になる見通しを示している。

 民間非住宅建設投資は、1.2%減の14兆8700億円で、このうち建築投資が1.8%減の9兆5900億円、土木投資が前年度と同額の5兆2800億円になると見込んでいる。建築投資を用途別に見ると、倉庫はマルチテナント型物流施設をはじめとする着工床面積が底堅く推移。事務所は首都圏を中心に大型物件の供給が見込まれるとしている。