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建設業相談ダイヤル、社保未加入対策に集中 国交省

 国土交通省は、公共工事の発注関係事務や元請け・下請け取引の実態把握を目的に設置している「建設業フォローアップ相談ダイヤル」で、2016年度下半期(10月~17年3月)に98件の相談を受け付けた。全体の73%に当たる72件が社会保険未加入対策に関連する相談。対策の目標年次である17年度を控え、未加入企業・作業員の現場入場制限に相談が集中した。

 建設業フォローアップ相談ダイヤルは、品確法の運用指針が本格運用された15年4月に設置した。社会保険未加入対策に関連する相談は、16年度上半期(4月~9月)も25件あったが、下半期は約3倍に増えた。

 中でも、国交省の「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」で、元請けに4月以降実施するよう求めていた未加入企業・作業員の現場入場制限に相談が集中。

 例えば、現場入場制限の対象に関する、「協会けんぽ、厚生年金に加入していないと現場入場できないのか」という質問に対し、国交省は、従業員4人以下の個人事業所に健康保険と厚生年金の加入義務はないとした上で「ガイドラインでも協会けんぽや厚生年金保険に加入することまで求めていない」と回答。

 また、元請けから協会けんぽへの加入を求められた一人親方には、国民健康保険と国民年金に加入していれば、必要な保険に加入しているものとして取り扱われるとして「改めて協会けんぽや厚生年金保険に入り直す必要はない」と答えた。

 国交省は、17年度も建設業フォローアップ相談ダイヤルで社会保険未加入対策関連の相談を受け付ける。社会保険加入や社会保険制度に関する相談には、全国社会保険労務士連合会に設置した無料相談窓口でも対応する。

 相談ダイヤルの電話番号は0570―004976(マルマルヨクナロウ)。メールアドレスはhqt-kensetsugyo110@ml.mlit.go.jp。