建設ネット企画画像 四角 四角

道路メンテナンスが「第2段階」に 長寿命化・コスト縮減

 国土交通省は、点検・診断の義務化から約3年が経過した道路メンテナンスを〝セカンドステージ〟に移行させる。技術基準の見直しや長期保証契約の拡大で長寿命化を進めるとともに、新技術導入などでコスト縮減を実現し、安定的に予算を確保する。人員・技術力が不足する市町村には、建設コンサルタントら技術者を派遣する制度を構築する他、橋梁などの集約化・撤去を支援して維持管理コストを抑制する。

 4月14日に開いた社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会にこうした方針を示した。

 橋梁・トンネルの定期点検・診断が道路管理者に義務付けられた2014年7月以降、蓄積された点検・診断結果を踏まえて「橋、高架の道路等の技術基準」(道路橋示方書)を改定し、橋梁の設計供用期間を標準100年とするなど、長寿命化を推進する。これまで統一的な基準がなかった橋梁の補修・補強に関する基準類も作成する。

 施工完了から一定期間の性能保証を求める長期保証契約は、現在の新設舗装に加え、舗装修繕やPC橋梁などの他分野に対象を拡大する。

 新技術の活用でメンテナンスの効率化も図る。圧着型塩害センサーなどにより、供用後5年程度で劣化の進行を確認したり、補修・補強後の効果を光ファイバーセンサでモニタリングするなど、将来的な維持管理コストの縮減を狙う。

 地方に対する国の支援も充実させる。橋梁管理に携わる技術職員が不足している市町村を対象として、建設コンサルタントを派遣する技術者派遣制度を構築。老朽化で通行止めとなる自治体管理の橋梁が増加していることから、橋梁の集約化・撤去を推進する補助制度の活用を促す。

 現行の予算規模では、特に自治体の維持管理に支障が出る恐れがあることから、長寿命化と新技術の導入でコストを縮減し、安定的に予算を確保する。

 このほか、14日の基本政策部会では、道路占用物件(水道、下水道、ガス、電線、通信線など)の維持管理についても議論。占用物件の損傷が道路陥没や舗装の劣化を引き起こしているとして、占用物件の維持管理に関する基準、路面下の空洞調査の在り方を検討する。

 また、占用物件から徴収している現行の占用料制度を見直し、車線を使用する占用工事も料金徴収の対象とする考えも示した。