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第1四半期に施設設計など発注へ 串間市中心市街地事業

 中心市街地の賑わい創出に向けたまちづくり事業を計画する串間市は、中核施設となる「道の駅くしま(仮称)」の整備に向けた設計業務等に着手する。平成29年度は、分棟方式で整備する物販・飲食・市民交流等の機能を有する各施設の整備に係る実施設計業務や地質調査業務、物件調査業務を第1四半期~第2四半期に発注する予定でいる。

 人口減少や市内産業の弱体化等を背景に、観光業を中心とした交流人口の増加を図り、市全体の賑わいを創出するため、市の魅力発信を強化する機能を持った道の駅等の整備を計画する。基幹産業である農林水産業を活かした農産物等の物販施設、飲食施設を設けて住民や観光客を集客し、市が有する観光施設の魅力等を広く発信する。

 建設予定地はJR串間駅西側の国道220号及び同448号、県道今別府串間線が交差するエリア(敷地面積約2㌶)。市民や観光客、道路利用者にとって利用しやすい位置に設置することで多くの利用者を招き入れる。複合施設や市民広場、旧吉松家住宅と近接して整備することで、中心市街地における回遊性を高める狙いもある。

 昨年8月にまとめたまちづくり実施計画によると、導入機能は市の食材を使用した料理等を提供する「飲食施設」、特産品等を販売する「物販施設」、生涯学習教室等が開催できる「市民交流施設」、屋外イベント等が開催できる「屋根付きイベント広場」、観光・道路情報の提供や休憩施設となる「情報施設・トイレ」を想定する。

 導入機能に関して、ピーク時間帯の予測来場者数やイベント等の想定最大参加人数等を基に必要規模を算出。各施設の想定規模を▽飲食施設516m2▽物販施設503m2▽市民交流施設463m2▽イベント広場530m2▽情報施設353m2―と設定する。また、小型車や大型車、身障者用等に対応した150台程度の駐車場も整備する。

 各施設は分棟方式で整備。敷地東部側に配置する情報施設及びトイレと、敷地中央部に配置する市民交流施設の間にイベント広場を配置し、敷地外からの可視性を高めて賑わいを外部に発信する。道路利用者の利便性を考慮し、敷地西部側に設ける駐車場に近い位置に物販施設と飲食施設を配置する。

 これらの施設整備に向けて、市は今年度より各種業務に本格着手する。当初予算に事業費約2億円を盛り込み、各施設の建設工事及び外構工事に係る実施設計業務、事業認定図書作成業務をそれぞれ第1四半期に、建物等物件調査業務や施設基礎地盤調査業務を第2四半期に発注する予定でいる。

 一方、まちづくり事業の一環として整備を計画する旧吉松家住宅前の市民広場(敷地面積3285m2)に関しては、整備に向けた用地取得を進めると共に、計画が順調に進んだ場合、第3四半期に造成工事を発注する見通しでいる。

 実施計画の中で示したロードマップによると、用地取得や資金計画の策定と並行して、29年度までに各施設の設計業務を完了させる考え。これらの進捗状況を踏まえた上で、30年度以降に施設建設工事に着手する。同時に、提供サービスの具体化や施設管理・販売ルール等の策定、施設運営者の選出なども進める。