国土交通省川内川河川事務所は、平成29年度に取り組む主要事業の概要を明らかにした。河川整備計画の基本理念に掲げる「安全・安心な川づくりと豊かな暮らしの創出」を踏まえ、堤防強化対策や河道掘削、鶴田ダム再開発事業を推進するほか、宮之城屋地・虎居地区、湯之尾地区、轟地区の川内川水系かわまちづくりに着手する。
平成29年度の予算額は、29年度当初予算分の80億3310万円と28年度補正予算等の7億5300万円。当初予算分の内訳は、河川事業が30億0540万円(河川改修24億0900万円、河川工作物応急対策3億9900万円、総合水系環境整備1億9740万円)、ダム事業が50億2770万円となった。
河川改修に関しては、薩摩川内市街部の治水安全度向上に向けて、引き続き大小路地区の引堤事業を促進すると共に、新たに肥薩おれんじ鉄道川内川橋梁の改築工事(引堤工事に伴う橋梁の継ぎ足し)に着手する。また、29年度から天辰第二地区の引堤事業に着手するにあたり、引堤事業に必要な用地取得を実施する。
川内川流域の洪水被害を軽減するため、平成19年度から取り組んでいる鶴田ダム再開発事業は、洪水調節容量を最大75,000千m3から最大98,000千m3(約1.3倍)に増やすもの。今年度の事業完了に向けて、既設減勢工改造工事などを継続する。
県内関連事業では、平成27年9月の関東・東北豪雨を踏まえた危機管理型ハード対策として、堤防決壊までの時間を引き延ばすことができるよう、えびの市及び湧水町の堤防裏法尻補強等を実施する。また、河床低下により河川管理施設への影響が懸念されているえびの地区の河床低下対策工事を継続する。
このほか、安全な河川利用及び河川を中心とした流域全体の地域活性化等を目的に、平成29年3月にかわまちづくり支援制度に登録された「川内川水系かわまちづくり」に着手する。計画に基づき、宮之城屋地・虎居地区、湯之尾地区、轟地区に於いて、高水敷の整正や管理用通路、階段護岸等の整備を実施する。