国土交通省は、昨年3月に制定したICT土工の基準類を2017年度に向けて見直す。小規模土工に対応できるよう、既に公共測量で使用されているTS(トータルステーション)やGNSSローバーなどを出来形管理に活用できることを基準で明確化。UAV(ドローン)を使用した出来形管理の時間短縮を図るため、ラップ率の規定を緩和する。
直轄工事でICT土工をスタートするために新設・改定した15の基準類のうち、UAVを用いた公共測量マニュアル案や空中写真測量を用いた出来形管理要領案など、六つの基準類を改定する。これに加え、小規模土工や新技術に対応できるよう、出来形管理や監督検査に関する12の基準類を新設・改定する。
小規模土工でも3次元起工測量と3次元出来形管理を実施するため、公共測量で使用が認められている、TS、TS(ノンプリズム方式)、GNSSローバーをICT土工に適用する。レーザースキャナーや空中写真測量で欠測があった際、補足として使用することも認める。計測密度は、1㍍間隔以内でおおむね等間隔で得られるように計測することを求める。
ICT土工を現場でさらに効率化するため、新技術にも基準を対応させる。地上型レーザースキャナーが、構造物や障害物の裏側などの計測ができず、複数回の設置が必要になっていることを踏まえ、不可視部分を軽減できるレーザースキャナー搭載型UAVの活用を認める。
UAVを活用した出来形管理を効率化するため、空中写真測量の撮影条件であるラップ率の規定を緩和する。現在の出来形管理要領では、進行方向90%、隣接60%となる飛行計画とするよう求めているが、進行方向の数値が80%以上であれば、規定を満たしているとみなす。これにより、延長約1㌔の出来形管理を行った場合、作業時間を4割程度短縮できるという。