宮崎県が整備を計画する防災拠点庁舎の実施設計概要が明らかになった。庁舎本体の規模をS造一部RC造、地上10階・地下1階、延床面積2万4120m2とし、耐震性を高めるために免震構造を採用する。新年度早期に本体工事の発注及び入札手続きに着手し、同年度中の着工、平成31年度中の施設完成を目指す。
「県民の生命と財産を守る庁舎」「人や環境にやさしい庁舎」をコンセプトに、現在の外来者第1駐車場に防災拠点庁舎を建設するもの。敷地南側に寄せて配置することで、災害時に於ける緊急車両の駐車スペースを確保すると共に、平常時にはイベント等での活用も可能な広場空間(防災広場)を創出する。
新庁舎の1階~2階にはエントランスや福祉保健部の執務室等を配置。3階~7階を危機管理防災センターの中枢と位置付け、危機管理局の執務室や総合対策部室、災害対策本部会議室、災害時の部局対策室等を設ける。8階~9階に県土整備部の執務室、10階に機械室等を配置するほか、地下駐車場や屋上ヘリポートも整備する。
免震構造の採用や1階床面の嵩上げ等を行うことで、災害応急対策業務や通常業務を継続して行える、耐震性・耐震水性の高い庁舎とする。複数燃料で最大14日間の連続運転が可能な非常用発電機、貯留雨や井水を飲料水として利用できる浄水設備、7日分程度の貯留が可能な地下排水槽などを設置し、必要なライフラインを確保する。
新庁舎には、誰にでも安全でわかりやすく、利用しやすいユニバーサルデザイン等に配慮した機能性を持たせると共に、▽環境保全性=環境負荷低減・周辺環境保全等の▽経済性=ライフサイクルコスト・耐用性・保全性▽社会性=地域性・景観▽安全性=防災性・機能維持性・防犯性―にも十分な配慮を行う。
整備スケジュールによると、新年度早期に本体建設工事の発注及び入札手続きに着手する見通し。同時進行で、歴史的・景観的価値を有する5号館の曳家移設工事を行う。請負業者の選定及び契約締結後、同年度中に着工し、外構・植栽工事や5号館改修工事を含めて、平成31年度中の整備完了を目指す。