国土交通省がICT土工の受注者にアンケート調査を行ったところ、ICT土工の起工測量から完成検査までの作業時間が、従来の施工と比べ平均26.1%削減されていたことが分かった。作業別では、起工測量で平均39.4%、出来形管理・検査で平均53.1%、施工で平均21.1%を削減する効果が上がっている。
同省は、直轄のICT土工を受注した300社を対象にアンケート調査を進めており、まず2月20日までの完成工事14件の受注者を対象に行った調査結果を明らかにした。
作業時間は、起工測量、測量計算、施工、出来形計測、完成検査の各工程の合計を従来施工と比較。回答した14社の従来施工の標準値は平均60.4日だったが、ICT施工では平均44.6日と、26.1%の短縮を確認した。
時間短縮・人工縮減以外の削減効果としては、3次元起工測量で▽現況測量の省力化▽3次元データを活用した詳細・正確な設計照査▽工事関係者への説明の高度化―を挙げる受注者が多かった。施工段階では、丁張り設置作業の省略、建機のオペレーターへの施工指示作業の省力化、などを上げる回答が目立つ。
一方、ICT関連の作業を外注する割合は、起工測量が93%、データ処理が86%、3次元設計データ作成が86%、出来形計測が83%と、外注を活用している受注者が大半を占める。外注先をレンタル会社とする受注者が圧倒的に多い。
ただ、国交省は、施工規模が小さくなるほど測量関係(起工測量、出来形管理など)の外注費用に見合う利益が出にくいと分析している。このため、起工測量や出来形管理の基準改定で、小規模土工に対応したTS(トータルステーション)やGNSSローバーの活用を認め、測量関係の作業を自社で行うことを促す。