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目標は40年間で6割圧縮 串間市公共施設等管理計画

 串間市は、公共施設等の総合的・計画的な管理に関する基本的な方針を示した「公共施設等総合管理計画」の素案をまとめた。老朽化した公共施設が一斉更新を迎える中、人口減少や少子高齢化による財源の減少を見据え、公共施設の適正配置や施設総量の縮減を図り、将来の財産管理総コストの縮減や財政支出の平準化を図る。

 市が保有する主な公共施設(217施設・552棟・総延床面積約14万3880m2)のうち、5割程度が築後30年以上を経過。今後40年間で公共施設と道路・橋梁の更新費用として938億円(年平均約23・5億円)が必要と推計されるが、施設整備に充てられる費用は限られており、現状でも年間11.5億円が不足する状況にある。

 現状や公共施設マネジメントの考え方を踏まえ、計画では▽適正配置と施設総量の縮減▽計画的な予防保全等の実施による長寿命化▽効率的な管理運営―を基本方針に掲げる。1人当たりの公共施設の延床面積を今後40年間で約60%圧縮し、将来の財産管理総コストの縮減や財政支出の平準化などを図る。

 個別施設に於ける具体的なマネジメント計画に関しては、管理者から視た施設の安全性・健全性・経済性、利用者から視た施設の快適性・有用性・利便性を相対的に評価し、各施設に於ける今後のマネジメントの方向性を「維持保全」「更新検討」「利用検討」「要早急対応(用途廃止)」の4つに分類する。

 このうち「維持保全」と評価された市立図書館や市民病院、総合保健福祉センターなど78施設は、今後10年程度は機能を保持し修繕補修で管理する。事実上の「用途廃止」となっているじん芥処理場など6施設は早期除去を検討するほか、「要早急対応」と評価した中央公民館など22施設は、施設の除去も視野に早急に対応を検討する。

 また、施設の老朽化や経済性等の評価が低いが利用上必要な施設のため、施設の機能を維持しながらも総量縮減を検討する「更新検討」は82施設、利用目的を変えることで有効利用が図れ、他機能を持ち込むことで他施設の総量縮減を検討する「利用検討」は29施設あり、出来る限り集約等の再整備を進めることを検討する。

 今後40年間の供給目標である60%縮減を達成するため、整備方針の結果を軸に、個別計画の策定が必要な施設として学校教育系施設や公営住宅、串間市役所庁舎、文化・体育施設、地域センターなどを想定し、計画的な建て替えや用途廃止を含む個別計画の策定に取り組む。

 串間市公共施設等総合管理計画の素案はホームページで公開し、2月20日まで計画に対する意見を受け付ける。問い合わせ先は串間市役所財務課契約管財係(電話0987-72-1111/内線322、メールkeiyaku@city.kushima.lg.jp)。