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みんなでまちを考える 宮崎市内で建築セミナー開催

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▲写真は挨拶する内八重青年部長、セミナーの模様

 一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部の青年部と女性部が主催する第25回「建築セミナー」が、25日に宮崎市内で開かれた。「みんなでまちを考える」をテーマに、講演を通じて中心市街地活性化に向けたアプローチの手法などを学んだほか、産学官それぞれの立場から意見を交わすパネルディスカッションも行われた。

 建築士としての資質の向上を図ると共に、職能を生かしたまちづくりに寄与することなどを目的に開催しているもの。青年部や女性部に所属する建築士、一般来場者など約30人が参加した。挨拶で青年部の内八重勇部長は、「それぞれの見方や捉え方でまちづくりを考え、問題意識を共有する場になれば」とセミナーの趣旨を説明した。

 セミナーでは、都城工業高等専門学校の杉本弘文氏が「地域志向のまちづくり・まち育て」と題して講演。時代と共に変わる価値観に合わせて「まちづくりにも時代を反映させる必要がある」と述べ、地域資源を生かす、住民の発想を基に活動を積み上げる、グローバルかつローカルな視点で取り組むなどのまちづくりの原則を説明した。

 一方で、「新しい夢や希望、未来(ビジョン)を見せる」ことが建築や環境デザインの力であると指摘。まちの活性化のキーワードにリピーターの獲得を掲げ、まちづくりの原則に基づくハード整備とソフト施策を同時に進行し、デザイナーが人々の気持ちを動かして繋がりをつくるなど、「市民主体のまち育て」に取り組む重要性を説いた。

 講演後には、宮崎市商業労政課まちなか活性化室の池袋耕人氏が「宮崎市の中心市街地活性化方策」を説明したほか、宮崎市内でまちづくりに関する各種活動を展開する宮崎ベースキャンプの取組内容を紹介。宮崎県建築士会宮崎支部青年部の後藤友哉氏は、宮崎市内の空き店舗で実際に行った実測研修の結果などを報告した。

 パネルディスカッションには、前述の3氏に加え、山﨑孝紀氏がコーディネーターとして参加。セミナーに参加した高校生の意見等に耳を傾けながら、産学官それぞれの立場から「若者や学生を取り込む必要がある」「様々な主体が関わらなければならない」などと、中心市街地活性化に向けた手法等について活発に意見を交わした。