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社保未加入2次以下、4月1日から排除 国交省

 国土交通省は、4月1日以降に入札手続きを開始する全ての直轄工事で、社会保険未加入(企業単位)の2次以下の下請けを排除する。原則30日間の猶予期間を設け、元請けに2次以下の下請けへの加入指導を求める。10月1日以降は、猶予期間内に加入が確認されなければ、元請けに制裁金・指名停止・工事成績減点のペナルティーを与える。制裁金は未加入の下請けと直近の上位下請けとの下請け金額の5%とする。

 2月24日、地方整備局などに未加入の2次以下排除を指示する通達を送った。2014年8月にスタートした未加入の元請け・1次下請けに加え、未加入の2次以下の下請けも直轄工事の現場から排除する。

 2次以下の下請けと元請けに直接の契約関係はないが、国交省は、直轄工事には、公共工事設計労務単価で本人負担分、現場管理費で企業負担分の法定福利費を含んでいるとして、元請けに加入指導の義務を与え、公平な競争環境を構築する。

 4月1日以降に入札公告する工事では、元請けはこれまでの1次下請けに加え、未加入の2次以下の下請けに加入を指導し、原則30日の猶予期間内に加入することを求める。元請けによる加入指導の事実が書面などで確認されれば、2次下請けで60日、3次以下の下請けで90日に猶予期間を延長することも認める。対象の下請けが加入した段階で、発注者に加入確認書類(社会保険料の領収書など)を提出する。

 10月1日以降は、猶予期間中に加入確認書類を提出できない元請けに、制裁金・指名停止・工事成績の減点のペナルティを科す。制裁金は、1次下請けの排除措置で下請け金額の10%としているが、2次以下の場合は下請け金額の5%とする。対象の下請けは、発注者から建設業許可部局に通報し、引き続き許可部局による加入指導を行う。

 ただ、災害発生時▽加入の確約があるケース▽下請けの経営状況が悪いケース▽対象の下請けに特殊な技術があるケース―などの「特別な事情」がある場合は、未加入の下請けと契約することを認める。「特別事情申請書」を発注者に提出し、次回の直轄工事における契約までに加入することを求める。

 国交省によると、15年度に未加入の2次以下が参入していた直轄工事はわずか0.9%。同省は、未加入対策の目標期限が目前に迫る中、公共工事全体でも対策を強化する必要があるとして、地方自治体、他の中央省庁、特殊法人にも対策の強化を促す。