日南市は、公共施設等の総合的・計画的な管理に関する基本的な方向を示した「日南市公共施設等総合管理計画案」をまとめた。将来を見通した長期的な視点をもって更新・統廃合・長寿命化等を計画的に行うことにより、財政負担を軽減化・平準化し、公共施設等の最適な保有量及び配置を実現する。
計画の対象施設は、市が保有する市民文化や社会教育、保健・福祉、公営住宅等の公共施設(建築物)と、道路・橋梁・上下水道等のインフラ施設。このうち、築30年を超える公共施設が約55%と全体の半数を超え、早期に具体的な取り組みを推進する必要性があることから、計画期間を29年度から38年度までの10年間と設定する。
市が所有する公共施設(建築物)は、平成26年度末時点で341施設(総延床面積約39万8714m2)。全ての施設を維持し続けた場合に必要となる今後40年間の更新費用は、過去7年間に於ける市の普通建設事業費(12億円/年)の3.4倍となる約1617億円(年平均40億円)が必要と試算する。
現状と課題を踏まえ、公共施設(建築物)に関しては「施設保有量の最適化」「効率的かつ効果的な管理・運営の実現と施設の長寿命化」「既存施設の有効活用」、インフラ施設に関しては「長寿命化と適切な維持管理によるコストの抑制」を管理に関する基本的な方向性に位置付けた。
予防保全の観点から、定期的な点検・診断を実施することで早期の対応を図ると共に、集積・蓄積した診断結果を次回の点検や診断等に活用するメンテナンスサイクルを構築する。また、施設の重要度や必要性、劣化状況等に応じて優先度を設け、計画的に改修を行うことで施設の長寿命化を図る。
将来も持続的に公共施設によるサービスを提供していくため、同種施設の集約化や複合化、余剰施設の再編・処分等を推進し、保有量の最適化に努める。地域の実情や市が掲げるコンパクトシティの実現に配慮しつつ、公共施設保有量を延床面積ベースで約10%以上削減する数値目標を設定する。
今後は、公共施設等の適切な維持管理や最適な保有量を実現するために、当該計画を踏まえた個別施設計画を策定(既存計画の見直し含む)し、施設の整理・統合に向けた取り組みを推進することとしている。