延岡市は10日、経年に伴う施設及び設備の老朽化や耐震性等で課題を抱える野口記念館(東本小路119-1)に関して、現在の敷地内に建て替えで整備すると発表した。平成32年に創業100周年を迎える旭化成株式会社(小堀秀毅代表取締役社長)からの寄付金30億円を財源に充て、平成32年度までに新施設を完成させる。
現在の野口記念館は、旭化成の創業30周年と市制20周年を記念して、昭和30年に建設された。施設の規模はRC造地下1階地上2階建延べ2596m2。固定席638席と車椅子席10席の計648席を備え、最大700人まで収容できる。現在も各種演奏会や演劇、舞踊など多目的に利用され、多くの市民に親しまれている。
既存施設の老朽化等を背景に、延岡市はことし1月、施設建て替えに対する支援を旭化成に打診し、今月に開かれた同社の取締役会で正式に寄付が決定した。新施設の規模や機能は現在と同等となる見通しであり、施設名の由来となった同社創業者の野口遵氏の顕彰や延岡市の歴史を伝える機能なども設ける方針でいる。
計画が順調に進めば、平成29年度に新施設の規模や事業スケジュールなどを盛り込んだ施設整備に係る基本構想を策定する。基本構想を基に年次的に設計や工事を進め、遅くとも平成32年5月の施設完成を目指す。