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全国全職種平均で3.4%増 公共工事設計労務単価

 国土交通省は、3月1日以降の契約から適用する公共工事設計労務単価を発表した。全国全職種(48職種)の平均は前年度比3.4%増の1万8078円(伸び率は単純平均、金額は加重平均)となり、2012年度の改訂から6年連続で上昇。単価の上昇が始まった12年度と比べ39.3%増加するとともに、労務単価公表後のピークである1997年度から見て94.5%の水準に回復したことになる。昨年2月の改訂に続き、都市部よりも地方の伸び率が高い傾向が出ている。

 公共工事の積算に使用する労務単価は、技能労働者の所定労働時間8時間当たりの基本給と基準内手当、1日当たりの臨時給与と実物給与で構成する。公共事業労務費調査は51職種を対象に行ったが、有効標本が確保できなかった「屋根ふき工」「建築ブロック工」「タイル工」の3職種は単価を設定していない。

 新単価をブロック別で見ると、北海道・東北が全職種平均で4.7%増と最も上昇幅が大きく、九州・沖縄の4.5%増、北陸の4.4%増、四国の4.2%増が続いている。一方、都市部では、近畿が2.8%増、関東が1.8%増と地方に比べ伸び率が低かった。都市部の労務費上昇に一服感が出ているとの見方もある。

 東日本大震災の被災3県の単価は3.3%増で、被災3県を対象とする単価の嵩上げ措置を適用してから初めて伸び率が全国平均を下回った。入札不調・不落の発生状況に応じて単価を嵩上げするため、不調・不落の発生率が低下したことに伴い、伸び率が低下したと見られる。

 同じく地震被害のあった熊本県の単価は4.7%増と全国平均を上回っている。国交省は、同県を対象に労務費のモニタリング調査を現在も行っており、調査結果に応じて改めて単価を改訂することもあるとしている。

 主要12職種の単価の伸び率は▽交通誘導員A3.8%増▽交通誘導員B3.6%増▽左官3.4%増▽大工3.3%増▽とび工3.3%増▽型枠工3.3%増▽鉄筋工3.3%増▽特殊作業員0.8%増▽運転手(特殊)0.8%増▽運転手(一般)0.8%増▽普通作業員0.7%増▽軽作業員0.8%増―で、交通誘導員の伸びが目立つ。

 新単価は3月1日以降に契約する国交省・農林水産省の直轄工事に適用する。昨年度の改訂時と同様に、旧単価で入札した工事に新単価を反映させる特例措置を講じる他、契約済みの工事にはインフレスライド条項を適用する。国交省は、都道府県・政令市に2月8日付で通知しており、改訂した労務単価を適用するよう促す。また、建設業団体には、単価引き上げを技能労働者の賃金に反映するよう要請する。

九州各県の公共工事設計労務単価