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王子橋・志和池工区の着手了承 宮崎県公共事業評価委員会

 宮崎県公共事業評価委員会(谷口義信委員長=宮崎大学名誉教授、委員10人)の平成29年度第2回会合が12月25日に開かれた。会合では、県土整備部が所管する「県道高城山田線王子橋・志和池工区」の事前評価で新規着手を了承したほか、「宮崎西環状線古城工区」の再評価で事業を継続することが認められた。

 公共事業評価は、事業の必要性と効果について客観的な評価を行うことにより、効率的・効果的な社会資本の整備を実現するために実施するもの。評価の体系は、事業着手前に重要度や投資効果等を評価する事前評価、着手から一定年数経過時点で進捗状況や効果等を把握する再評価、事業完了後に効果や影響等を確認する事後評価に分かれる。

 25日に開かれた会合では、県土整備部が所管する道路事業2件を審議。事前評価を行った県道高城山田線王子橋・志和池工区と再評価を行った宮崎西環状線古城工区の妥当性等を道路建設課の担当者が説明し、いずれの事業も対応方針の原案どおり、新規着手及び事業継続が認められた。

*県道高城山田線王子橋・志和池工区

 県道高城山田線は、都城市高城町と山田町を結ぶ延長約8㎞の主要地方道路。地域経済を支え、地域住民の安全・安心な暮らしを支援する重要な路線であり、宮崎県地域防災計画に於いて第2次緊急輸送道路に指定されている。

 新規着手の対象となる王子橋・志和池工区は王子橋を含む1.46㎞で、路線内唯一の未改良区間。小中学校の通学路であるが当該工区に歩道はなく、架設から約60年が経過する王子橋は経年劣化が進み、幅員が狭いことから事故の危険性も高い。

 周辺には3つの工業団地やトラック団地、都城市郡医師会病院等が立地していることを踏まえ、円滑な交通・物流ネットワークを構築し、地域経済の発展や安全・安心の確保、経済の浮揚を支援する道づくりに取り組む。

 事業では、王子橋工区(0.76㎞)に於いて橋梁の架け替えや取付道路の整備を行うと共に、志和池工区(0.7㎞)に歩道を整備する。新橋は橋長257mのメタル橋を計画。全体事業費は約50億円を見込み、平成40年度までに整備を完了させる。

*宮崎西環状線古城工区

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和する共に、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。

 その一部を担う古城工区は、宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ延長1.2㎞の区間。平成20年度に事業に着手した。区間内には橋梁2箇所(1号橋=約130m、2号橋=約280m)やボックスカルバート2基を整備する。

 平成20年度の着手から地元との協議に時間を要したため事業が長期化しており、進捗率は事業費ベースで14.7%、用地ベースで32.3%。当初の計画では26年度頃の完了を予定していたが、今回の再評価で完了予定年度を36年度に変更する。

 当初計画で50億円としていた事業費に関しては、既に着工済みの区間内の一部で軟弱地盤対策が必要となったことから、これに伴う調査・設計及び工事費として8億円を追加。全体事業費を58億円に変更する。

 県では、25年度に本格的な測量・詳細設計等に着手。26~28年度は用地測量や用地買収のほか一部工事に着手した。29~31年度にボックスカルバートの整備や切土工及び盛土工を推進し、31~36年度に橋梁の整備を行う見通しでいる。