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i-Con普及加速事業、支援対象を拡充 国交省

 国土交通省は、地方自治体と中小建設業にICT施工の裾野を広げる「i-Construction普及加速事業」の支援対象を拡充する。17年度補正予算案で4000万円を追加しており、新たに支援対象となる自治体を選定し、ICT施工の効果を中小建設業に浸透させる。支援対象以外の地域でも講習会を開き、同事業で得られた知見を広く展開する。ICT建機・ソフトウエア購入に活用できる補助金申請のノウハウ提供にも力を入れる。

 普及加速事業は、自治体にICT施工のモデル工事を発注してもらい、この工事に国交省の費用負担で専門家を派遣、施工計画の立案を指導したり、必要機材を貸与する。建設業団体や設計・測量団体、建機レンタルなどの関係者を集めた協議会を組織してもらい、協議会を受け皿に実演型でICT施工を浸透させる。

 16年度の静岡県を皮切りに、17年度は▽秋田県▽茨城県▽新潟市▽岐阜県▽兵庫県▽鳥取県▽徳島県▽大分県▽沖縄県―の9県市を支援している。

 17年度補正予算案で4000万円を追加したことに加え、18年度当初予算案にも前年度とほぼ同額の3600万円を計上しており、今後、支援対象の自治体を新たに選ぶ。

 同省が直轄の元請けを調査したところ、ICT土工事では、起工測量から完成検査までの工期を従来施工よりも平均28.3%縮減する効果が得られたという。今後の普及加速事業では、講習会の開催などにより、これらICT活用によるメリットを全国に展開する。

 さらに、ICT建機や関連機器の購入に充てることができる補助金や補助金の申請方法に関する情報提供も行う。例えば、中小企業庁が17年度補正予算案で措置した「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業(ものづくり補助金)」は、ICT建機の関連機器やドローン、レーザースキャナーなどの購入時に活用できる。ものづくり補助金は、予算額が1000億円と大きく、補助率3分の2、上限1000万円と支援額も手厚い。

 同様に中企庁が補正予算案に500億円を計上した「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT補助金)」は、ICT施工関連のソフトウエア購入に充てることができるという。普及加速事業でこれらの補助金活用を促すことで、中小建設業のICT導入コストの負担を軽減する。