国土交通省九州地方整備局は12月22日、平成29年度第4回事業評価監視委員会(吉武哲信委員長)を開催した。本県で進む東九州道清武JCT~北郷間や国道10号新富バイパス、宮崎海岸直轄海岸保全施設整備事業など管内の直轄12事業について再評価等を行い、全事業の継続を了承した。
公共事業の効率性や透明性の向上を図るため、予算化後5年経過時点で未着工の事業や着手から10年以上が経過した未完成の事業を対象に継続の可否を審議する。今会合では道路5事業、港湾4事業、公園1事業、営繕1事業、海岸1事業の再評価を行った。
県内事業のうち「東九州自動車道清武JCT~北郷」は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。平成24年度に清武JCT~清武南IC(延長1.2㎞)が開通し、現在は橋梁やトンネルなど構造物等の工事が進む。平成28年度末時点の進捗率は、事業費ベースで約76%、用地ベースで100%。
トンネル工事が進む芳ノ元地区で地下水位変化や地すべり変位を再解析した結果、安全性を確保するために29万m3の頭部排土工の追加が必要となったため、対策費27億円を追加する。また、地山が含む特定有害物質の不溶化処理費用42億円も追加する。
同じく、九平地区に於ける継続的な地すべり観測に於いて、坑口の地すべり面がトンネルと交差していることが確認された。その後の観測で変位の有無や範囲を特定し、地すべり対策が必要となったことから、これらの対策費として25億円を追加する。
一方、「国道10号新富バイパス」は、交通混雑の緩和や交通安全の確保等を目的に、新富町日置~宮崎市佐土原町下田島(延長4.8㎞)を4車線化する。平成19年度までに2.3㎞区間で整備が完了し、29年12月27日に日向大橋を含む1㎞区間を4車線で開通した。今年度中に田中地区区間(延長0.8㎞)も開通させる見通し。
また、「宮崎海岸直轄海岸保全施設整備事業」は、海岸侵食に脅かされる背後地の安全・安心を確保するため、浜幅50mの確保を目標に埋設護岸や突堤等の整備を実施するもの。これまでに、突堤及び補助突堤167m(計画延長500m)、埋設護岸2320m(同2700m)の整備が完了し、引き続き、残る各施設の整備を推進する。