経年に伴う老朽化や狭隘化、耐震強度不足等の課題を抱える市役所庁舎の建て替えに関して、日南市の﨑田恭平市長は12月定例市議会の中で、平成34年度に新庁舎を完成させるなどの方針を示した。現時点の計画では、今年度に庁内で基本構想をまとめ、30年度に基本計画の策定と基本設計、31年度に実施設計を行う方針。建設工事は33年度に着手する見通しでいる。
経年劣化が進み、耐震基準を満たしていない本館(RC造3階建延べ3103m2)や別館(同1935m2)に関して、市は各種検討委員会での協議の内容を踏まえ、建て替えによる整備を計画。一方で、熊本地震による被災地の状況等を考慮し、隣接する保健福祉総合センターに既に市役所機能を移転するなどして業務を行っている。
定例市議会の中で﨑田市長は、同センターへの機能移転を行ったことで窓口が分散し、利用者に不便が生じている状況を説明。「利便性向上の観点からも、新庁舎は早期の完成が必要」との認識を示す一方、防災行政無線のデジタル化など大型事業との兼ね合いを考慮し、新庁舎建設のスケジュールについて検討を行っていた経緯を説明した。
これを踏まえ、東京オリンピック等に伴う建築資材や人件費の高騰を避けるため、時期をずらして平成34年度に新庁舎を完成させる方針であることを説明。これに伴い、30年度に基本計画の策定と新庁舎の基本設計、31年度に新庁舎の実施設計を行い、33年度に建設工事に着手するなどの見通しを示した。
建設予定地に関しては、本館と議会棟を解体した跡地を予定していることを説明。新たな庁舎の規模は現時点で総面積6400m2程度を想定している。新庁舎建設後の他の既存施設の活用に関しては、耐震基準を満たしている保健福祉総合センターや別館を執務室として現状のまま活用する考えを示した。
新庁舎に導入する機能などの基本的な方向性に関しては、市議会議員らで組織する新庁舎建設検討特別委員会の意見を踏まえ、庁内関係部署でつくる庁舎等整備検討委員会が案としてまとめる。市民委員会である「みんなで作る新庁舎建設検討委員会」の意見を踏まえ、今年度に庁内でまとめる基本構想に反映させる。
﨑田市長はこのほか、新庁舎建設に係る事業者の選定に関して可能な限り地元業者を活用することや、発注方式に関して建築主体と設備等を分離発注で行う考えでいることを説明。これから策定する基本構想や基本計画、設計等の内容を踏まえて事業費を算出し、これに応じて共同企業体(JV)への発注を検討するとの考えも示した。