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32年度の住宅耐震化率90%目標 宮崎県耐震改修促進計画

 宮崎県は、県内建築物の耐震化に向けた取り組みなどをまとめた「宮崎県建築物耐震改修促進計画」を策定した。計画期間は平成28年度から37年度までの10年間。中間年となる32年度の耐震化率を、住宅で90%(現状値77%)、多数が利用する一定規模以上の特定建築物で95%(同93.5%)まで引き上げることを目標に掲げる。

 県は平成19年3月に同計画を策定し、建築物の耐震化を進めてきたが、住宅の耐震化をより一層進める必要があることや東日本大震災等を背景に法改正が行われたこと、南海トラフ巨大地震への対応が急務であることを踏まえ、県内建築物の耐震診断、改修設計及び改修工事の一層の促進を図るために計画の見直しを行った。

 計画では、本県で被害が想定される地震の規模や被害状況を踏まえ、建築物の耐震化目標値を設定。甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震から人命や財産を守るため、32年度の耐震化率目標値を住宅で90%、学校・病院・百貨店など多数の者が利用する一定規模以上の特定建築物で95%まで引き上げることを目標に掲げる。

 目標の達成に向けて、建築物の所有者等が建築物の耐震化を自らの問題、地域の問題として意識して取り組むことが不可欠であることから、県及び市町村は所有者等に対する耐震性の向上に向けた意識の啓発、耐震診断、改修設計及び改修工事に関する情報提供等を含めた環境整備や支援制度の充実など必要な施策を講じる。

 具体的には、建築物の所有者等に対して耐震化に要する費用を補助するなどの支援を実施すると共に、国等の支援制度の周知を図る。また、専門技術者(宮崎県木造住宅耐震診断士)の養成及び紹介体制の充実、相談窓口の設置等にも取り組む。

 地震時の総合的な安全対策を図るための取り組みとして、建築物の所有者等に対し、ブロック塀の倒壊や窓ガラスの飛散、天井等非構造部材の落下、地盤の液状化等について必要な対策を講じるよう指導等も行う。同時に、被災建築物応急危険度判定士の養成等を通じて、二次災害の未然防止対策に取り組む。

 また、大地震時の沿道建築物の倒壊で緊急車両の通行や避難に支障がないよう、当該建築物の所有者が耐震診断を行い、その結果により耐震化を行うよう努力を求める路線として、宮崎県地域防災計画に位置付けられている第一次・第二次緊急輸送道路を指定する。

 このほか、耐震化促進に向けた啓発活動として▽地震被害想定やハザードマップ等の周知▽パンフレットの作成・配布、講習会の開催▽リフォームにあわせた耐震化への誘導▽自治会等と連携した地震防災対策▽ホームページ等による情報提供に取り組む。

《宮崎県建築物耐震改修促進計画(概要版)》