宮崎市は、住まいやまちづくりに関する施策を展開する上での指針となる「宮崎市住宅マスタープラン」の素案をまとめ、ホームページ等で公表した。基本理念に掲げる「次世代に継承される魅力ある住まいづくり」の実現を目指し、住宅に関する各種施策の方針や成果指標を示した。来年1月15日まで素案への意見・提案を募集する。
住宅マスタープランは、第五次宮崎市総合計画を上位計画とする住宅関連部門の計画として策定するもの。多様な人が安心して住み続けられる宮崎の創造を目指して、各種住宅施策を展開する。計画期間は、平成30年度から39年度までの10年間。計画の進捗状況や社会・経済情勢等の変化を踏まえ計画の見直しを行う。
素案では、居住環境の現況や課題、市民アンケートの結果等を踏まえ、①多様な居住ニーズに対応する住宅供給と魅力ある住環境づくり②安心して住み続けられる住宅・住環境づくり③住宅の価値を高める仕組みづくり④大規模災害(南海トラフ地震等)への対応⑤住宅関係団体や地域住民等との連携・協働の推進―の5つの目標を設定した。
「多様な居住ニーズに対応する住宅供給と魅力ある住環境づくり」に関しては、基本施策に▽移住・定住の促進▽多様なニーズに対応できる住宅供給の促進▽都市機能の集約と居住環境の向上―を掲げ、三世代同居・近居の促進や多様な住宅供給の促進、若年層の住宅取得及び住宅リノベーション等への支援などに取り組む
「安心して住み続けられる住宅・住環境づくり」に関しては、▽誰もが健康で安心して住み続けられる住宅・住環境の整備▽重層的な住宅セーフティネットの構築▽防犯に配慮した住宅・住環境の形成―の実現に向けて、市営住宅ストックの有効活用や民間のノウハウや技術を活用した公営住宅の供給・整備・管理等を行う。
「住宅の価値を高める仕組みづくり」に関しては、▽持続可能な住宅づくり▽既存ストックの適正な維持・管理▽分譲マンションの適正な維持・管理―として、長期優良住宅や省エネ住宅等の普及促進、地場産材を活用した住宅建設の促進、空き家・空き地の利活用の促進、マンションの大規模修繕・建替に対する支援等に取り組む。
「大規模災害に備えた住宅・住環境づくり」では、災害に備えた住宅市街地の形成として、住宅等の耐震化促進やまちの防災機能の向上、住宅内及び宅地の安全確保の啓発を実施。災害被災者への居住支援として、応急仮設住宅の建設候補地の確保や災害被災者の住宅確保の支援、災害時の住情報の提供を行う。
また、「住宅関係団体や地域住民等との連携・協働の推進」に関しては、住まいやまちづくりに係る各分野との横断的な連携体制の構築のほか、住相談・住教育に関する体制の充実を図る考えを示した。