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大臣賞は砂子組とカナツ技建 i-Con大賞を発表

 国土交通省は11日、直轄工事で建設現場の生産性を向上させた受注者に対する「i-Construction大賞」を初めて受賞した12者を発表した。国土交通大臣賞は、北海道開発局、中国地方整備局が発注したICT土工を受注した砂子組(北海道)、カナツ技建工業(島根県)の2社が受賞した。同省は2018年度以降、地方自治体発注工事や民間独自の生産性向上の取り組みに表彰対象を拡大する方針だ。年明けに表彰式を開く。

 2016年度中に完成した直轄工事のうち、ICT施工を受注した12者(10社・2JV)を選んだ。各地整が推薦したICT施工の受注者を先進性・自立性・波及性の観点で審査し、大臣賞2者、優秀賞10者をそれぞれ選定した。優秀賞には港湾工事2件の受注者も含まれている。

 北海道開発局の「道央圏連絡道路 千歳市 泉郷改良工事」を受注した砂子組は、本社内に専門部署として設置した「ICT施工推進室」で3次元データのチェックや修正などを行い、現場の技術者をバックアップした。ICT土工を採用した全国第1号の工事として、見学会や取材に対応し、i-Conの普及にも貢献した。

 カナツ技建工業は、中国地整の「多伎朝山道路小田地区改良第12工事」で受賞。3次元設計・施工データの作成を自社で主体的に実施するとともに、機械土工、測量機器、ソフトメーカーなどで編成するプロジェクトチームを編成し、地元業界の技術向上に貢献した。

 九州管内では、九州地整が発注した「長谷川4号床固工・右岸導流堤工事」を受注した野添土木(鹿児島県)が優秀賞を受賞している。

 国交省は18年度以降、毎年度1回のペースでi-Con大賞を選ぶ。同省の調べによると、都道府県・政令市48団体がICT土工を実施しており、自治体発注工事も受賞対象に加える。また、建設現場の生産性を高める新技術の開発など、民間企業独自の取り組みも表彰対象とする考えだ。