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建設業の決算分析、収益性など改善 西日本建設業保証

 西日本建設業保証株式会社は、西日本に所在する取引先の建設業を対象に行った平成28年度の決算分析(「建設業の経営指標」)を発表した。前年度と比べて「総資本経常利益率」が0.14ポイント、「完成工事高経常利益率」が0.17ポイント上昇するなど、収益性や流動性、健全性、生産性に関する大半の指標が改善傾向を示した。

 同社が公共工事の前払金保証を行った法人企業のうち、平成28年4月1日から29年3月31日までの間に決算期が到来した法人について、決算期直前1年の営業期間を対象に調査した。調査対象企業は、本店が西日本管内に所在する土木工事業、建築工事業、土木建築工事業、電気工事業、管工事業の計2万1195社。

 企業経営で最も重視される総合的な収益性を示す「総資本経常利益率」は、西日本平均で4.10%となり、前年度の3.96%から0.14ポイント上昇した。関連指標である「完成工事高経常利益率」に関しても、前年度の2.33%から0.17ポイント上昇して2.50%となった。

 「総資本経常利益率」を業種別にみると、土木建築と電気を除く業種で前年度から上昇し、電気の6.56%が最も高く、土木建築の3.43%が最も低かった。完成工事高別では、30億円以上のクラスが6.25%で最も高く、1億円未満が2.17%で最も低かった。

資金の流動性を示す「当座比率」は、前年度の228.50%から239.44%に上昇した。全業種で前年度を上回り、電気の272.24%が最も高く、建築の207.21%が最も低かった。完成工事高別では1億円以上5億円未満のクラスが249.05%で最も高く、30億円以上のクラスが177.15%で最も低かった。

 財務体質の健全性を表す「総資本自己資本比率」は、前年度の45.42%から1.01ポイント上昇し、46.34%となった。すべての業種で前年度を上回り、電気が50.61%と最も高く、土木建築(44.48%)や管(44.53%)が低かった。完成工事高別でも、すべての階層で前年度を上回った。

 生産性の代表的指標である「従業員一人当りの付加価値」の平均は前年度の657万円から671万円に上昇し、建築を除く業種で前年度に比べて増加した。業種別では土木の711万円が最も高く、管の549万円が最も低かった。完成工事高別では、30億円以上のクラスが1405万円と高く、1億円未満が385万円と低かった。

■県内企業は収益性低下

 宮崎県内企業(調査対象=986社)における総資本経常利益率の平均は3.33%で、前年度を0.78ポイント下回った。業種別では、土木(前年比0.78ポイント減)、建築(同0.68ポイント減)、土木建築(同1.10ポイント減)、電気(同1.86ポイント減)、管(同0.34ポイント減)となり、すべての業種で前年を下回った。

 完成工事高に対する経常利益率の平均は1.88%で、総資本経常利益率と同様に前年度を0.36ポイント下回った。業種別では、土木(前年比0.37ポイント減)、建築(同0.23ポイント減)、土木建築(同0.07ポイント減)、電気(同1.11ポイント減)、管(同0.40ポイント減)となり、すべての業種で前年を下回った。

 一方、当座比率は前年度の246.62%から261.16%に上昇。総資本自己資本比率は54.84%で、前年度(54.86%)と同水準となった。従業員一人当たりの付加価値は、前年度の611万円から555万円に下降。業種別では、土木建築の636万円が最も高く、管の441万円が最も低かった。

《九州各県の総資本経常利益率と一人当たり付加価値》